想いの本質

私たちは先人たちの想いを継いで今に存在しています。その想いを継ぐのは、血のつながりもあるかもしれませんがそれ以上に想いで繋がっていくものです。人の一生はあまりにも短く、あっという間に人生が終わってしまいます。

そういう意味では、みんな志半ばで斃れていくのです。だからこそ想いがあるのです。つまりこの想いで人が繋がっていくというのが想いの本質なのです。そしてそれは決して死んでしまったから終わるのではなく、死んでからも続いているものであり生きているから繋がらないのではなく、生きていても繋がり続けるのです。それが道ということでしょう。

人生は誰もが想いを持てば道半ばです。

私の今の取り組みも、多くの方々の想いが繋がって実になっているものです。そしてこの先もずっと同じようにあらゆる人たちの想いが集まってさらなる成果を結んでいきます。

そのご縁のつながりこそ、決して金銭では交換できないかけがえのない豊かさであり私たちの仕合せの本体ということでしょう。

もしもこの世に金銭がなくなったとして、何がもっとも大切だと感じるか。それは私は「ご縁」であると、そしてそのご縁を結ぶつながりの「想い」であると私は思います。

人は想いとご縁で結ばれているものであり、これが仕合せを積み重ねて未来を希望にしていくように思うからです。

だからこそどのような想いを日々に醸成していくのか、どのようなご縁を結び活かしていくのか、そして如何に豊かな幸福の場を創造し続けていくか。ここに生成発展の万象繁栄の根本があるように感じています。

想いは形がないものです。しかし想いこそ、いのちの発する偉大なかたちでありご縁こそそれを結ぶいのちの綱です。今でも目を閉じると、志半ばで去っていた人たちの想いが私に宿っているのを感じます。そして耳を傾ければ、この先の未来で私を待っている想いが溢れています。

子どもたちのためにも想いを力に換えて、私の役目を全うし道を切り拓いていきたいと思います。

感覚の道

私たちは理性や理屈とは別に感覚というものがあります。感覚でいえば、五感などの感覚があるように金銭感覚などもあります。金銭感覚というのは、金額に対する多い、少ないの感じ方、お金の使い方の感覚のことです。他にもお金の使い方、使い道、お金そのもの対する考え方や意識のことをいうように思います。

この感覚は、その使い方、使い道のことです。

身体の感覚であれば、身体の使い道。金銭の感覚であれば、お金の使い道。つまりは、どのような使い道を身に着けているかということのことをいいます。例えば、直観が鋭い人というのは、直観の使い道が分かっている人ということになるように思います。

感覚というのは、鈍らないようにするためには常に磨き続けて鍛錬をしていなければなりません。先ほどのお金の使い道であれば、日々のお金の使い方を磨いていくということ。これは使い方だけではなく、貯め方、活かし方、日々の暮らしの中でどういう使い道をしているかという感覚です。

感覚が鈍ると、色々なことが鈍っていきます。

例えば、私も高菜の漬物を漬けていますが塩加減や重しの加減などの塩梅も感覚です。どれくらいの量に対して、どれくらいの塩加減かはその時の五感や漬物との対話が必要になります。それに積み重ねた経験もあります。さらに新たなことへの気づきや、新しいことへの好奇心なども必要です。

つまりは感覚を鈍らさないというのは、常に好奇心で主体性を失わず新たな発見と研鑽を味わい続けているということです。

そのためには、目的をもって道に挑んでいく必要があります。何のためにこれをやるのか、もしくはこの目的の大義が何かと自問自答をして実践し続けていく必要があります。それが生きる喜びでもあり、手段を活かす方法にもなるからです。

感覚を研ぎ澄ませていくことは、自分のいのちを輝かせていくことと同義です。子どもたちのためにも感覚を磨いて真に豊かな世の中を創造していきたいと思います。

滝場の甦生

故郷の古の滝場周辺の山道を切り拓いています。ここは平安時代には、日本全国に知れ渡るほどの修験場でしたが現在ではほとんど誰も人が来ない場所になっています。少し入るだけで、現世とはかけ離れたような清浄な空気が流れています。

今までどれだけの数の山伏や信仰のある方々がここを守ってきたか、それを想うとこの場所が多くの方々の人生を潤し役立ってきたことがわかります。現在は、滝も枯れ、鬱蒼とした木々が生え、誰もそこにはいくことはありません。

それを今一度、甦生させようということで鬱蒼とした木々を取り除き、草を刈り、人が踏み入れることができるようにし、枯れ木などを片づけました。

改めて場所を整えていくと、その当時の様子が少しずつ甦ってきます。枯れた滝がどのようにこれから甦生するのかはわかりませんが大雨が降るとかつての状態に戻っていきます。

枯れた理由は、自然現象もあるかもれませんがほとんどが人為的なものです。滝の裏側に大きな工事現場があり地下水の流れが変わってしまっているのかもしれませんし、もしかすると過剰な植林によって水が吸い上げられてしまっているのかもしれません。上流でダムができて流れが変わったかもしれません。これからその理由を探索していきますが、古の水の流れが変わってしまえばその場所の持つそのものの価値も変わってしまいますから甦生はその一つ一つを丁寧に恢復させていくしかありません。

私の取り組んでいる甦生は、医者のやっていくことに似ています。それも自然治癒をする医者です。できる限り、元の状態に戻していく。しかし周囲の環境が変われば、いくらそのものを甦生させてもなかなか元通りになることはありません。

だからこそ、創意工夫して元よりも善い状態になるように負の現状を逆手にとってそれを甦生させていくのです。そうして甦生したものに人は感動し、さらに新たな人を目覚めさせていくことができます。

お金にもならず儲からず、誰もやろうとしないことでも子どもたちや未来の世界のためにやることはたくさんこの世には存在します。それを発見し発掘し、それを発信し、発心する人を増やすこともまた大切な志事です。

引き続き、古来の滝場の甦生を通して日本人の心もまた甦生します。

台風の眼

また台風の季節が近づいてきました。自然の猛威が高まってきているので対策なども年々大変なことになっています。もともと地球は自転をしていますから風は吹いてきます。台風の仕組みもまた、この自転によって回転し上空の風に押されるように移動してきます。

もし地球が自転しなくなればどうなるかと思うとぞっとしますが、自転速度も太陽の周りを周回する速度も長い年月をかけて今の状態に変化してきたともいわれます。つまり私たちの地球は常に変化し続けていて同じ状態のままであることはないのです。

この世にあるものはすべて変化しないことはありません。私たちの身体も生まれてから老化していくように同じような日々であっても必ず小さな変化を繰り返していきます。

地球も季節も同じことはなく、その変化が著しい時だけ目に観えるだけで目に見えなくても変わり続けていると言えます。

例えば、自転の速度が変わってしまえば一日が24時間ではなくなります。そして公転速度も変わってしまえば一年の日数も変わってきます。そうなると様々な変化が起きて、自然界の生き物たちのリズムや季節感、そして海陸のバランスや風や水の流れもすべて変化していきます。

さらには、私たちのいる太陽系も銀河の中を猛スピードで移動しますからほかの星々との引力の影響なども受けていきます。私たちの人生の寿命があまりにも小さいために大きな変化を感じにくい状態ですがもしも数千年、数万年の寿命があれば膨大な変化を地球も宇宙もしていることを身近に実感することができるのです。

地球環境の変化に対して、色々なことがそれぞれで発信されます。しかし本当の環境問題は決してこのような地球の変化に対してどうこうではなく、人間がどう生きるのかということを環境のことに置き換えて語り合っているにすぎません。

今のままでいいのかということを、地球の姿から考え直そうというものなのです。

人間の身体で例えるのなら、台風があるというのは地球が呼吸をしているということでもあります。自転するというのは心臓が動いているということです。そして海流が循環しているというのは血液が流れているということ。植物たちや酸素は腸内でマグマは内臓すべての働きの根源です。そうやって人間と体との関係をリンクさせていく中で、何がもっとも健康を保つものか、そして変化に対してどう生きていくのかを地球の変化に順応しながら進化していこうとするのです。

地球には私たちにはすでに聞こえない音があります。地球の音です。これはNASAが衛星から地球の音を収録したものが動画にもアップされています。本当は聞こえていた音も、脳の機能で聞こえないようにカットされています。しかし私たちは常にこの地球の音を聴いて過ごしているのは真実です。

今一度、聞かなくなったものに耳を傾け、見なくなったものに目を向け、よく観てよく聴いて人類が目覚めを迎える日に向けて価値観を転換する時期が近づいてきています。

台風からも気づき、本当の生き方を見つめていきたいと思います。

文化の甦生

最近、文化財のことについて考える機会が増えてきました。ウィキペディアには「広義では、人類の文化的活動によって生み出された有形・無形の文化的所産のこと 。「文化遺産」とほぼ同義である。」、「武力紛争の際の文化財の保護に関する条約 、 文化財不法輸出入等禁止条約 、文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律などの条約および法令において規定されている「文化財」のこと。」、「日本の文化財保護法 第2条および日本の地方公共団体の文化財保護条例において規定されている「文化財」のこと」とあります。

シンプルに言えば、人類の伝統や歴史において政治的にも学術的も希少なもので価値があり文化財と判断されるものが文化財ということになりますが文化財は見方を変えればこの世のすべてが文化財ということになります。

特に希少になってくればほぼ文化財のように扱われていくものです。大量に生産できて大量に余っているものはいくら文化財でも価値があまりないように扱われます。もしくはお金にならないもの、復元できないものもまた一つの文化財です。

この文化の「財」とは、貴重なものや価値のあるものを指します。貴重であると思えるものや価値のあるものだけが財とつきますが本当に貴重なもの、価値のあるものが何かと定義するものの違いではまったく文化財の内容も変わってくるのです。特に時代が異なれば、文化財の価値も変わっていくでしょう。それだけ変わり続けているものが文化財ということになります。

例えば、何百年も前からの古民家で歴史的な何かがあった建物であっても時代が異なれば無価値になるものもあります。平和な時代の建物と戦乱の時の建物でも価値は異なります。その時代時代に変化していくものだから、その時代に相応しい活かし方があります。その活かし方もまた文化財になる日もくるでしょう。つまり、ただ保存し、ただ時を止めてその建物を守ってもそれが文化財ではないということです。

私たちはどのようなものであっても、その時代に生き、その時代を舞台に活躍していくものです。活躍するための場としての文化があるのであり、文化が先ではありません。

何をどうするかは、その時代の価値観や人の存在、そして時の持つ出来事に左右されていきます。本質をよく観て何がもっとも大事なことなのか、そして今をどうするのかからよく議論していく必要があるのです。

子どもたちのためにも、新しい文化の甦生を取り組んでいきたいと思います。

健康で長生きするための智慧

先日から酪酸菌のことを書いていますが、この酪酸菌はウィズコロナには欠かせない微生物であるのは間違いありません。戦前に日本人にはほとんどアレルギーがなかったといいます。それは食物繊維をたくさん摂取していたからだともいわれます。

つまり酪酸菌の餌は、その食物繊維であり食物繊維を多く食べていればそれだけ酪酸菌も元氣になるというものです。日本人の伝統的な食事の智慧にぬか漬けがあります。このぬか漬けこそ、酪酸菌を元気に増やし代謝を高める効果があります。私たちが腸から大事な栄養素を取り込むのにこの酪酸菌が多くの役目を果たしています。

具体的には(鶴見隆史著「酵素」の謎)にこうあります。

酢酸、プロピオン酸、酪酸の短鎖脂肪酸は水溶性の食物繊維や糖質の発酵で生じる物質で、その働きが人間の免疫力を上昇させたり、健康を向上・維持させるうえでたいへん重要ということで、最近大きな注目を集めてきています。酢酸は、脂肪合成材料です。プロピオン酸は、肝臓における糖新生の材料として使われています。酪酸は、大腸の主要部分の栄養素となります。これらは、95パーセントは大腸粘膜から吸収され、すべての消化管と全身の臓器の粘膜上皮細胞の形成と増殖を担い、粘液を分泌させる働きをしています。 胃液も腸液も膵液も胆汁もすべて短鎖脂肪酸がつくっており、大腸粘膜など100パーセント、短鎖脂肪酸をエネルギー源としています。 この短鎖脂肪酸の一番の材料は、熟した果物、わかめ、昆布などに含まれる水溶性食物繊維です。 穀物、大豆、きのこに含まれる不溶性の食物繊維も材料になります。 ほかには黒酢、酢、梅干し、ピクルス、酢の物、ラッキョウ、漬物、キムチなどの発酵食品も短鎖脂肪酸の材料になります。」

つまり私たちの腸ではこの食物繊維を分解するという機能が備わっていて、長い年月をかけて食べてきた食生活に対して微生物と共生する関係を結んできたともいえます。その長い関係を結んできた微生物が私たちの身体を病気から守り健康にしていますから、いくら時代が変わってもその微生物たちがいつまでも共生してくれるように食生活を保つ必要があります。

例えば、もしも宇宙に人間がいってどこかの星で生活したとしても腸内の微生物たちは今までと同じような食事が必要になります。食物繊維のないものばかりを食べてしまえば腸内環境が崩れてしまい共生が維持できず健康が維持できません。

私たちは人間だけで生きているわけではなく、様々なものに「生かされている」のですから微生物に生かされている私たちは微生物を生かす役割を持っているのです。そうやって全体循環の中でいのちはめぐりますから、好循環を維持するためにも何が好循環を保つのかを私たちは知っている必要があるのです。

子どもたちのためにも、健康で長生きできる智慧を伝承しつつ古来からの体内の微生物たちがいつまでも一緒に健康で長生きできるように暮らしフルネスの中で実践していきたいと思います。

根源は免疫、原点回帰

私たちの身体には、免疫というものがあります。これは病原体・ウイルス・細菌などの異物が体に入り込んだ時にそれを発見し体から取り除いてくれるという仕組みのことです。そしてこの免疫には自然免疫と獲得免疫というものがあります。

まず自然免疫は、生まれつき体内に備わっている免疫の仕組みで元々古来から存在する機能です。これは発見した異物を排除する仕組みです。有名なものに好中球と、NK細胞、マクロファージがあります。このどれも、外部からのものをキャッチして食べて無効化していきます。

そしてもう一つの獲得免疫は、人生で病原体と接触した際に再び感染しても発病しないようにする仕組みのことです。この獲得免疫は、侵入した異物を排除するだけでなく記憶細胞という特殊な機能をもつ細胞に変化し記憶しています。そうすることで、いち早く発見し感染が進む前にキャッチして食べてしまうのです。T細胞とB細胞が有名です。

インフルエンザで例えると、ウイルスが口や鼻、喉、気管支、肺などに感染した場合はまず自然免疫のNK細胞とマクロファージ、樹状細胞などがウイルスをキャッチして食べて駆除しはじめます。そしてそれでも駆除できない場合は、B細胞、キラーT細胞という獲得免疫が今度は活動を始めます。具体的にはB細胞は抗体を作り、その抗体はウイルスにくっついて他の細胞に感染できなくなるといいます。

そうやって私たちの身体は自然免疫と獲得免疫の合わせ技で撃退してくれていたのです。無症状の人がいるというのは、この免疫系が働き無害化させているからということになります。免疫がきちんと働いているのなら、外部からの異物は正しくキャッチされ、駆除され記憶され、ずっと身体を守り続けてくれるのです。

これからコロナウイルスも様々な変異株が誕生してきますし、その都度、ワクチンを開発して対応ではいたちごっこです。私たちの身体は大量のウイルスに日々に晒されていますからやはり今まで生き残ってきた力を磨いていくのが一番です。

その方法は、食生活、運動、睡眠、精神や心の安静、という基本、また体質改善、生活習慣の見直しでできるはずです。つまり暮らしを整えていくのです。暮らしフルネス™は、これらのことを実践するためにも欠かせない智慧の仕組みです。

引き続き、子どもたちのためにも暮らしを見直して伝承していきたいと思います。

微生物を尊重する暮らし

腸内フローラを活性化することで免疫を高めていくというのは、むかしからの感染症予防法の一つです。もはやコロナウイルスは変異し続けていきますし、海外から強力な新種が次々と入ってきますからワクチンや薬ではいたちごっこの様相です。

気候変動も重なりますからますます新手の病気や感染症は増えていくばかりです。こうなってくると自己免疫を高めていく方法しか手段がありません。今の私たちが生存しているということは、今までも自己に備わっている免疫があったから乗り越えてきたともいえます。

この時代は免疫を下げるような生活環境の中で私たちは暮らしています。こういう時だからこそ、免疫を上げるような本来の自然と共生する仕組みを学び直す必要性を感じています。

私たちが免疫を高めるということで最初に思いつくのは、腸内細菌です。腸内フローラが豊かでしっかりとしている人は健康で免疫も高く元気な人も多いといいます。私たちは微生物によって身体を守っていますから、お腹の中の微生物の状態がよければよいほど免疫を高め外部からの感染症のウイルスなどの侵入を防いでくれます。

如何に日々の生活の中で微生物を上手に取り込むかが鍵になります。本来は微生物は空気中も浮遊していますし、自然界の土やほこりの中にもたくさん存在しています。そういったものを日々に取り入れていけば免疫も高まるのですが、食事から摂取するのがもっとも効果的な方法です。私たちは微生物にご飯を食べさせることによってその代謝物をエネルギーや栄養に換えていますから微生物が喜ぶようなものを食べてあげるのが一番です。腸活といい方も今ではしていますが、微生物を尊重する暮らしをしていくことがもっとも免疫を高めてくれたということでしょう。

今、まさにその微生物でもコロナウイルスに効果があるのが酢酸菌(さくさんきん)だといわれています。この微生物は乳酸菌や納豆菌と並ぶ食用の発酵菌の1つです。この酢酸菌は、アルコールを酢酸に変える細菌の総称でお酢になる元です。なので英語では「Mother of vinegar(お酢の母)」とも呼ばれています。

この母なる存在が非常に大きな働きを腸内で行ってくれているのです。どこにいるかといえば、空気中にもいますが梅、ぶどう、柿、りんごや花、はちみつなどにもあります。具体的に酢酸菌をつかった発酵食品には、お酢やワインビネガー、コンブチャ、ナタデ・ココやカスピ海ヨーグルトなどもあります。日本では、黒酢、柿酢、リンゴ酢などあらゆる酢に存在しています。

特に素晴らしい効能は、アレルギーに効果があることです。花粉症をはじめ、あらゆるアレルギー反応を穏やかにする力があります。科学的にも腸内菌叢により産生される短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸およびプロピオン酸)という物質が腸管上皮細胞の増殖促進、炎症性サイトカインの抑制作用等による抗炎症、抗潰瘍作用もあると報告されます。

つまりコロナウイルスは、免疫の過剰反応が影響しますからそうならないように予防し続けることで重症化を防ぐことができるかもしれません。先人たちの智慧を活かし、子どもたちに安心した環境が遺せるように自然から学び続けていきたいと思います。

幸福の転換

WHOの2021年の世界保健統計によると世界の総人口は約76億7696万人となっています。世界一は中国ですが、次はインド、アメリカと続き、日本は11位につけています。小さな島国ですが、これだけの人口を抱える国ということになります。

しかしよく考えてみると、人口増加を続けていますが今、急に都市化して発展しはじめた国の人口は若い人が増加し、少し以前に発展していた国はお年寄りが増加しているということになります。同じ人口といっても、そこには年齢の偏りもありますし男女比というものもあります。また亡くなるまでの平均年齢の差もあります。

日本は少子高齢化なので、子どもが少なくなりお年寄りが長生きする国になってきています。ここから考えると、子どもたちがお年寄りを支えるために未来を担う必要があります。特に都市型の福祉施設が増えていくとその費用負担は子どもたちにのしかかってくることも想像できます。

むかしは亡くなるまでの平均年齢が低かったといいます。戦国時代くらいまで遡っても50歳前後には亡くなっていました。今では、この年齢が働き盛りといわれます。つまり、長寿社会になってから人は死ななくなったのです。病気、飢餓、あらゆるものを克服してきて今に至ります。そうやって寿命が伸びたからこそ人口が増えているということもあるのです。

本来、寿命が伸びたのだから緩やかに穏やかにみんなで暮らしていきたいと願うのが人間だったはずが経済競争社会の中で常に走り続けて速度を上げていきました。働くことが自分らしく役に立つということが中心にあるのなら、それは幸福ですからみんな自分の足で立ち、尊重して支え合って暮らしを創っていくことができるでしょう。IT化、AI化はまだ進化しますから速度はさらに上がっていきます。そんな中で、私たちはこの長寿社会と人口増加の中でどう生きていくのかを正対していく必要が出てきています。

人間は、生まれてから死ぬまで自分の身体を使って主体的に生きることを喜びにしています。そしてそこに幸福感というものがあります。もともと日本人は、明治以前までに来日した外国人による記録は簡素だが幸福感に充たされている国というイメージだったそうです。

人は何のために生まれてきた、何のために生きるのか。

未来から鑑がみて今、どうすることが未来の子どもたちのためになるのか。世界の人口がかつてないほどに膨れ上がっている今だからこそ自分たちの身の振り方を定め実践し、未来の子どもの幸福のために転換していきたいと思います。

 

湿度から学ぶ

日本の風土は高温多湿です。この時期の平均湿度は74パーセントくらいあるといいます。私の今居る家も、大雨が降り始めましたが湿度は84パーセントあります。これは空気中の水分がどれくらいあるかを示したものです。

私たちの身体は、自分にとって快適な体温を一定に保つために常に気温や気候に合わせて活動をしています。暑くなれば冷まそうとし、寒くなれば温めようとします。この変化が激しいと、それだけエネルギーを必要とするためかなりの負担が身体に生じて夏バテや熱中症の原因にもなるといいます。

一般的に私たちが快適と実感する湿度は40%から60%といいます。40%を切ってしまうと肌や目などが乾燥し、インフルエンザウイルス等が活発になります。そして逆に60%を超えてしまうとダニやカビが活発になります。

湿度によって、ウイルスやカビが活動しますから常に湿度を一定に保つための工夫が必要になってくるのです。現在の住宅では、気密性が高く部屋の空気はこもっています。なので除湿すればすぐに乾燥し、水分が増えればずっと残ります。本来、微風が通れば自然に湿度は一定に保たれるのですが風が通らなくなるとあっという間に湿度の管理は難しくなります。

伝統的な日本家屋は、この湿度との関係を常に意識して設計されてきました。また家屋に使われる材料もどれも湿度を意識したものばかりです。例えば、障子、土壁、畳、建具に囲炉裏などどれも湿度を調整するためのものです。

湿度が高すぎるときは吸収し、低すぎるときは加湿します。つまり車のハンドルの遊びのように、変化が緩やかに発生するように調整する役割を果たしているのです。あとは、もともと隙間が多く、ほとんど外界とつながっているような建て方をしていますから常に風が通り、そのうち快適な湿度に回復して保つようになっているのです。

そうはいっても、梅雨前線が停滞して暑さが厳しいときはどうしようもありません。そんな時は、きっと窓を開けてあとは拭き掃除をしてカビが発生しないようにしたのでしょう。それに冬の極度の感想には、囲炉裏で常にお湯を沸かしてお茶をたてて対処したのではないかと思います。自然と共生していたころは、私たちは湿度を身近に感じて暮らしを営んでいたように思います。

都会では、総合空調で空気清浄機でコントロールされているためあまり湿度とかカビとかウイルスとかも気にすることはありませんでした。しかし田舎に暮らし、伝統的な家屋に住むと如何にそれらが身近であったかを実感します。

見方を変えれば、湿度の御蔭で発酵食品は保存でき、ウイルスなどの予防になり感染症を抑えてくれるということでもあります。それに湿度の変化で身体は常に五感やエネルギーを使いますから自然にお腹もすいて美味しくご飯が食べることができます。

健康を考えたら、自然と共生する仕組みを活かしている暮らしの方が快適に安心して長生きできるように思います。子どもたちに、湿度との関係から学び直すことを伝承していきたいと思います。