ガイアシンフォニー

本日、龍村仁監督のガイアシンフォニー(地球交響曲)第六番の完成披露試写会の夜の部に参加してきた。

完成まで何だかとても長く待ったようであっという間だったような気もする。
不思議と、作品を待つ心境は長い旅を一緒にしているような錯覚を覚える。
気がつくと、目的地にやってきていて一緒にその深い悦びや感動を分かち合っているからだ。

改めて、五感で触れることのできる素晴らしい作品とご縁の邂逅に心から感謝。

このガイアシンフォニーは私の価値観に大きな影響を与えている一つの映画。第五番からはこの素晴らしい作品製作の一隅を少しでも担いたいと、微々たるものだが個人的な寄付を続けている。

第二番で出演していた故星野道夫さんから深い共感を覚え、第一番からずっと映画館に通って観た映画だ。この映画は自主映画なので、フィルムを借りて上映するため普通の映画館では観る事はできない。上映する方もそうだが集まってくる人たちは同じような価値観の方々が多い。何だかこのような方々がいると思うと明るい未来が期待でき勇気とエネルギーがふつふつと沸いてくる。

最近、DVDが発売されそれもすぐに購入したのだが何だか映画館で観る「場」にも力があるように思えて自宅ではなかなか手が出ない。

このガイアシンフォニーのテーマは、「地球」
地球が一つの大きな生命体だとして、我々がどうあるべきなのか。

龍村監督のインスピレーションで自然と寄り添い歩んできた方々とご縁を繋ぎその取材を通して語られる宇宙観と自然観に息を吹き込みその美しさを魅せてくれる・・・

龍村監督の素晴らしいなと心から尊敬するのは、自然を本当に愛おしく美しくあますことなく表現し撮っていること。
何だかとても言葉にはできない、優しさと畏敬の思いが伝わってくるよう。
また、関わる人たちの言葉で自分の語りたい言葉にならないものを聴き手に語っていること。
何だかこれも言葉にできないが、人と自然の叡智が伝わってくるよう。

はじまるとすぐにこの映像のすべてにあっという間に引き込まれてしまう。
何か観えない力に導かれるような感じだ。

価値観を共にする方々との貴重な邂逅は、人生において至高の贅沢だなと心底思う。

きっとこれからの時代は、価値観を同じくする方々と自分たちのできるそれぞれの「命」で力を合わせお互い支えあっていく・・・そんな時代に入ったのだろうなと思う。

・・・・ガイアを思い・・・・

私たちのいる地球は、大宇宙の中の太陽系を永遠に廻っている。
きっと宇宙の星星は、私たちの記憶の遥か先にある。
観えないのだから心で感じるしかない。
生命はこの今も、何かしらの大いなる意志に生かされている。
どんな時も、生かされているという深い感謝を思う時、地球の存在を身近に感じる。

森の中の小川のせせらぎ、木漏れ日の中の透明な光と風、打ち寄せる穏やかな波の音、夜空に煌く数多の星星・・・

どれも人間のものではない。
どれも誰のものでもない。

そう思う時、とても静かになる。
この地球とともに命を寄り添い生きていくこと。

・・・・

この情報過多の時代の中で、子どもたちに伝えていくことはもっとたくさんあるんじゃないかと思う。
行間や余韻、静と動、明と暗、移り変わりの時に現れてくるメッセージを感じることをもっと体験させていきたい。
それはきっと子どもにさせるのではなく、まずは大人がそれを感じ、美しく変わっていくことだと思う。

子どもたちが未来と美しいものを感じる素晴らしさを伝えるためにも、立派な大人たちがそれを自らが実証し伝承していくことが大事なのだと思う。

そう思うとひょっとするとこの日本でしかできないことがあるかもしれない。
日本人である我々しかできないことがあるかもしれない。

この先もずっとこのことを心に刻み道を歩んでいこうと思う。