自意識という妄想

自意識過剰というものがある。

この自意識というものを思う時、相手から見られている自分と、自分からみている自分というものが存在しています。

営業の仕事で例えてみると、誰でもはじめて営業をする時は自分に自信がないので最初は自分の諸動作や話し方ばかりが気になって商品の話ができずタジタジしてしまうものでこれは相手から見られている自分を過剰に意識しているからでもあります。その逆に、自分から見ている自分に自信があればどのようにすれば相手は喜んでもらえるかを気にするので商談に集中できるものです、しかしもし相手を過剰に意識してしまうと今度はビクビクしてしまい話を進めることができなくなります。

この自意識過剰というものは、この両面を過剰に意識することで発生するのです。本来、この自意識は人との対人関係の問題です。本来、信頼関係があれば相手からどう思われているかなどあまり気にしないし、逆に自分がどう見ているかなども考えません。自分から信頼できる人は、信頼されるように善いイメージを持てるような体験をたくさん積んでいくしかないとも感じます。

これを営業でいえば、その自他を信頼できる状態になるには経験を通して成果を出し自信を持つことで現場での不安はなくなってきてどこでもいつもの自分で接することができるようになるのです。

仕事でいえば一度上司に企画書を突き返されても何度も何度も挑戦し納得いくまでやり遂げたり、先程の営業でいえば契約していただけるまで何度も何度も納得いただけるまで共感していけば次第に力がついてくるものです。

人は途中で諦めるとそれ以上は無理だと思うようになります。人間関係でもそうですが、自信がある人は猛アタックしてでもその人との関係を「もの」にします。しかし自信がない人は、すぐにそれ以上の関わりを避けようとしてしまいます。

相手からどう思われようが、自分がどう感じようが、自分がそうしたいと思った目的を遂げるまで諦めずに関わることで関係は打開できるのです。なんでもそうですが、最初から上手くいく関係などあるはずがありません。

打ちとけ合うまでは何度もぶつかりあいがあります、それに何かを一緒にやろうとすれば遠慮なんてしていられません。それを実現するまでやるしかなく、大事なことはお互いの幸せのために真剣に誠実に取り組むことで関係も良好になるのだと思います。

これは先程の営業では、お客様の幸せのために会社に貢献するために全力で働けば自信は後からついてくるということなのです。先に自信をつけてからという発想ではいつまでたっても仕事の実力もついてはこないのです。

医者や先生と呼ばれる仕事もそうですが、他人に見られるからと意識しすぎていたら本当に善い仕事はできません。仕事への誇りと自覚こそが、その自意識を拭い去るのです。

だからこそ自分の自意識を気にせずに没頭し、気にせずに熱中する、気にせずに集中し、気にせずにやり遂げる、それくらい無我夢中になったり、一心不乱に没頭するくらい目的のために時間を使うことが大切で、それを繰り返せば自信も漲ってきます。

最後に、禅語に、「莫妄想」 (妄想すること莫(なか)れ) があります。

毎時妄想していたら現実はいつまでも変わりませんね。いちいち自意識や過去や未来のことばかりを考えるのではなく、この今こそに集中することが自分との正しい付き合いになるのだと思います。

常にこの今を、この現実を真摯に丹誠を籠めて生きることなのです。

他人に伝えるといことはとても難しいことです、このコミュニケーションというのは胡坐をかいていては上達していきません、仕事は何歳になっても学びなおしが必要だと振り返り反省する日々でもあります。だからこそまずこの今、なすべき課題にこそ集中して改善し新たな習慣を更に獲得していこうと思います。