大切な何か

原発事故があってからエネルギーのことなどを考え直すことがあった。日々の生活の中で私たちが一体何に依存して、何によって安心しているのかと分かり、その刷り込みに気付いてから改めて様々なことを見直すことを決めた。

そう思った人は何人もいたはずである。

しかし日常が過ぎ去っていけば、次第にまた金融都市化された中で大切なことを思い出す暇もないほどに忙しくしそのうちに元の生活にまた慣れてしまうのが人間であろうとも思う。

よほどの強い意志や心で決めた人でなければ周囲の環境の影響を受けてしまうのだから変わるということは難しいのです。

人は目先で感じる急激な変化に対しては反応しますが長い時間かけて緩やかに変化するのを感じるのは苦手であることが多いのです。環境というものの変化は、毎時ゆったりとしっかりと変わっていくものであるからつい気付かないのだと思います。

木々が伸びたり、水かさが増えたり、草花が広がっていることにあるときにハッとされるようなもので変化が大きなものは目先ではないところで起きているのです。

成長も同じく、変わっていないように感じても実は確実に伸びているのです。

よく観ると先日の原発事故から確かに変わっていることがあるように思います。
眼には見えないところで多くの人たちの心に何かが起きています。

もう一度、大切な何かを取り戻そうとする動きは心と心を通じて人々の様々な言葉や表現から感じ取ることができます。

私たち日本人がこの西洋型文化を取り入れたのもついこの間の話です。それ以前はまったくそうではない生活があったと思えば、決して忘れてはいないのだと思います。

遠くの大きな変化が見えれば観えるほどにこれからがとても楽しみです。