信頼の実践

人と信頼関係を結ぶのにオープンさというものがある。

どこまで自分を隠さずに相手にさらけ出せるか、そういう自分の弱みとも言えるものまで周りを信頼してオープンにいるかというのは大切なことです。

例えば、弱音を吐いたりするのもそうですが自分ができないことを誰かに頼めたり、自分が苦手なことを他人に話せたりするのは、その組織風土や環境がオープンであるからとも言えるのです。

上司や部下との信頼関係もそうですが、部下は自分ができないことを遠慮なく上司に相談して上司から最適なアドバイスを戴くというものがあります。また上司も部下に、自分のありのままをさらけ出してその上で意見を求めるというものがあります。

つまりここでの関係というものは、御互いに深い信頼を置いているという意味なのです。

他人とうまく信頼関係を築けない人は、自分が信頼されていないことが前提で振る舞います。ですから、何かをすぐに隠そうとしたり遠慮をしたり、または自分のプライドやエゴをつい優先してしまい裸になることができないのです。

そうしているうちに、自分から信頼していないというメッセージを発信することになり、次第に周囲からの信頼が失われていくのです。何かの過失があったにせよ、それは事実なのだと受け容れてすぐに改善し、周囲から再び信頼されるような自分になっていこうとするのが誠意でありまたチームの一員としての力を引き出していくのです。

今のような全員リーダーのようになって多様な価値観に応じていく時代では、皆が如何にオープンな環境を意識しているかというのはチーム力にとって何よりも大切なのです。

これが例えば、自分が傷つきやすいや、自分がメンタルが弱い、自分がこうだ、自分がああだと、常に自分が自分がと自分のことばかりを先に考えるというのがもっとも自閉、つまりはクローズしてチームにならなくしていく理由になっていきます。

そうではなく、皆にどうか、皆に役に立てているか、皆を信頼しているか、周りのためになっているかと、自分を周囲に活かそう、自他を活かそうと自分が意識しているときは自開、つまりオープンなのです。私も、自分が周囲を明るくしているか、周囲を楽しませているか、周囲が自分の存在で元気になっているかというのは、いつも意識しています。

しかしすぐに自分が自分がと考える癖がある人は、どうしても周りと一緒に仕事ができません。
自己肯定感も、周囲との信頼関係の中で築かれていくものですから自分だけでは無理です。
そして人間は誰しも信頼関係がない人同士では絶対に善い仕事はできません。
信じ合うからこそ、不思議な力が発揮され不可能を可能にしていくのです。

だからこそ、自分がどうかではなく、自分から信頼していこう、自分からオープンにいよう、自分から自分の全部を開いていこう、「常に自分の方から」とすることが、他人からの信頼を得るための近道であろうと私は思います。

自分がと思うのはやっぱりプライドやエゴが残っているからで、それでは周囲を活かそうという発想にはなりません。周囲を活かすには、そういった自分のプライドやエゴを手放すことがいるのです。

自分の立場が不安で守ろうとばかりを気にして委縮するのではなく、相手のためになるかどうか、皆のためにもと勇気を出して取り組むこと、つまりはそういった利他の心で取り組んでいくことがそういうプライドやエゴを打開するコツなのでしょう。

信頼されれば安全ですし、信頼していれば安心です。

子ども達にも、あまり自分のことばかりを考えなくていいように、自分から皆のためにとやっていればどうせ最後には自分は観えてくるとし、まずは日々の思いやりと実践を高めていこうと思います。