源志の魂

何かの勝負の際に、人数が多いか少ないかというものがある。

よく会社でも社員数が少ないことがさもデメリットのように言われるし思い込んでいる人がいる。しかし実際は人数が多ければいいか、少なければいいかという表面上の問いはあまり勝負において意味をなさない。

なぜなら、人は一人で戦うにせよ、二人で戦うにせよ、戦う人の志が勝敗を決するからです。人数が多いか少ないかを憂うよりも、志が一つになった仲間であるかどうかが肝心なのです。

かの忠義の偉人、楠木正成にこのような言葉が残っています。

『合戦の勝負、必ずしも大勢小勢に依らず、ただ士卒の 志を一つにするとせざるとなり』

楠木正成は、上杉謙信、高杉晋作なども等しく用いた野戦に長け、自然を縦横無尽に用い戦わずして勝つといった最上の智慧を持って大義を貫いたリーダーです。

これらのリーダーの特徴は、まずは理念や大義があること、そしてそれを実践し実行する勇気を持っていること、さらには思いやりや智慧を天より借りることができた謙虚な心、その時の運気と同体になったからこそであったと私は思います。

志というものは目には見えませんし、それがどのような結果に影響を与えるかも誰も何も言いません。しかし、チームの一人一人が自分くらいと志を下げるようなことであればアッというまに士気は下がり負け戦になるのです。

もしも逆に、自分だけでもと志を貫く気概を持った人たちが集まればチームの一人一人が志を一つにしどんな強敵がいても様々な好機をものにし必ず道理に叶い正しい成果を得られるのだと思うのです。

吉田松陰に、「志を立てて以って万事の源とす」がありますがこれはこのことを言っているのです。吉田松陰は、かつて生前、4回も楠木正成の墓所を参り、自らの志を確かめています。

私も先日、その機会に恵まれいよいよその志の意義を確かめるに至りました。
世界を変えるなら、世界を変えるほどの戦略が必要でありその智慧を得たのです。

智仁勇のプロセスを味わいながら、あるべき道を歩んでいきたいと思います。