発達論3~バランス~

発達でよく語られるのに、方向性や連続性というものがあります。これは必ずある方向に向かって育っていき、その育ちは連続してやまないという意味です。

しかしそれはなぜかということです。

全ての生きものは、中心を持っています。この中心とは例えば、太陽の方を向いて育とうとしたり、水の流れに従って育とうとしたり、四季にあわせて廻りを繰り返していくように、自然に合わせていくのもその中心があるからできると言えます。

方向性というものも、中心から全体へ全体から中心へという自他全体へ向かって成長しています。同時に、連続性というものも同じくそれが関係性の中で存在することで成長し合うとも言えます。

つまり、発達には全体と調和しようとする中心が存在しているのです。その中心こそが発達だと定義すれば発達には必ず「バランス」というものがあるということになります。

生命が多様化しているのも、環境によって影響し合うのも、そこにはバランスを維持しようといった働きが存在しているからです。自分の身体と同じように、全ての臓器が複合的に調和し機能しあっているように全体のバランスが成って存在するのが私たちだからです。何かを切り取って存在するものなどこの世にはなく、全ては調和を中心とするのです。

発達を見極めていくということは、自分がどこでバランスの中心を持つのかを知ることであり、何と関わりをもって存在しているのを自覚していくことであろうと思います。

常に発達がその瞬間瞬間で全体と調和しある一定の方向へと育つのは銀河系がある一定の方向へと回転するようにまた太陽や月や地球が絶妙な距離を維持しているように関わりの中で存在していることを実感させるものだからです。

発達を見守るには、そのものとのバランスを考えて自分自身がバランスを維持していく絶妙な関係性や方向性が必用のように思います。

そこには互いを深く尊重し合うからこそ維持できる発達のバランスがあるのです。発達を見守るというのは、自他を尊重しバランスを常に優先していることができるということであろうと思います。

思い込みが強く先入観に囚われれば、バランスが崩れてしまい中心から外れていることで不安や疑心が生まれるのでしょう。常に自分自身を正していくことは、恒にバランスでいるということでそこには自然体でいることができるかどうかによるように思います。

自然から離れてしまっている今の世の中、引き続き発達を整理していきたいと思います。