大切なことを忘れないDAY

昨日は、理念から3年前の震災の教訓をふり返るために「大切なことを忘れないDAY」として防災や教訓などを研修しました。

研修では「想定外」についての話し合いを中心に、釜石での事例や、釜石の子どもたちの実績などをDVDを使って学び合いました。

その中で気づいたことがあったのですが、人は想定外というものを考えるのに、想定内とか想定外とか言っていること自体が「想定」しているということだということです。

想定というのは、考えられる範疇での出来事ということで実際の災害は自分の考えが全く及ばないほどの巨大な存在というのが本当の意味で想定できない=想定外ということだということです。

それぞれに想定外の出来事について語り合いましたが、想定内のことばかりを話している姿に如何に自分たちが平和ボケしているのかを痛感します。

本来は、自分のいのちを自分で守ろうなどということは自然界の中では当たり前すぎて本能でいつもそれを発揮して生き残っているのです。しかし実際の今の世の中は、そういうシンプルな自然の姿すら分からなくなるくらい人間が自然から隔離した文明社会の中でどっぷりと安全や安心に浸かってしまっているのです。

そういう文明社会が壊れるような災害があった場合は、いのちを守ること以外できないはずですがそういう目にあったことがない今の世代ではぬるま湯の中でギリギリの感覚というものを喪失してしまうのでしょう。

人は本当の危機を肌で感じながら生きるのは自然への畏怖や畏敬を忘れないということです。神道では神様という偉大な存在に畏み畏み敬い常に謙虚にと私たちは日常から生きてきましたが今では自然を征服するという発想のもと、人為的に操作された人間中心の傲慢な暮らし方の中でそういう畏怖畏敬の心もなくなってきているのでしょう。

自然から離れるということが一体どれだけ恐ろしいことか、地球に住まう私たちが地球と住まうことを忘れてしまうところに文明の崩壊、否、人間中心の限界を感じてしまいます。

以前、「直視」ということをブログで書きましたが直視しないからいつまでも傲慢に胡坐をかいてしまうのでしょう。直視というのは、素直でなければできず謙虚でなければ視れません。自分の今の生き方が自然からどれくらい離れているのか、自然というものを常に意識して生きているか、あの教訓から学んだ本質は自然からの警告であったはずです。

人間が傲慢になって人為的に造りだしたものが、自然に破壊されるのを目の当たりにして自然の中で生きて活かされているのだから自然と共生していく方を優先しよう、あらゆる生きものたちとともに地球に活かされていることに感謝していこうと、初心を忘れずにいることが何よりも後人へつないでいくことではないかと私は思います。

最後に社内では、災害の教訓から新たに5つの鉄則をつくり今後実践することにしましたので紹介します。

【防災鉄則の5箇条】

第1条 危機意識の欠如、備えを怠るな

第2条 自然への畏敬を忘れるな

第3条 固定概念に縛られるな、最善を盡せ

第4条 自分のいのちを守ってから他人を助けよ

第5条 ピンチの時には野生の勘を取り戻せ

子どもたちに豊かな自然風土と幸福な暮らしを譲っていけるように実践を積み上げていきたいと思います。