バランスの善い人~知行合一~

人は志を持ち、自分から自問自答して場数を体験しなければ学問を大成していくことはできないように思います。教えてもらうことを学びにしている人は、教えてもらおうとする頭ばかりを働かせて頭でっかちになってしまいます。

この頭でっかちとは何か、少し深めてみたいと思います。

もともと頭でっかちとは体に対して頭が不釣合いであることをいいます。それを比喩し、知識は多いけれど実行が伴わないことをいいます。これも今の学校教育の刷り込みの一つだと思いますが知識ばかりを詰め込んでは場数や実行の量が圧倒的に足りないということです。

実行するには心を遣う必要があります。心を遣うと体が動きます、体が動けば心もまた動きます。そしてその中で頭を働かせるという順序が本当の働かせ方のように思います。

世間では何かの道を学ぶとき、心技体のバランスを確認するものです。これは心技体全てを駆使して渾然一体になっているかということです。難しい言い方になりましたが、志を持ち、律儀に場数を踏み大量行動によって自分を育てていけばいいのです。

しかしそれができないのは人には怠惰な精神というものがあります。頭でっかちになってしまうと、如何に楽をしようかと考えてしまうからです。本来、「頭」の仕事というのは身体が無理しすぎないように、心が傷つきすぎないように調整する役割を持っているように思います。

頭があるから、計算して休むことができ、頭があるから、知識によって体験が困難になりすぎないように調整してくれるのです。ただ実際は、頭を優先してしまうと体が動かなくなり精神が着いてこなくなり心を亡くしてしまいます。

常に志を優先し、初志貫徹、何のためにといった初心や目的に照準を合わせて真摯に実地実行を繰り返すことではじめて頭を活かすことができるように思います。

頭が良いのは才能の一つで、頭が良いことで様々な創意工夫やアイデアもまた生み出していきます。だからこそ、まず如何に自分が望む自分を手に入れるために臆病でメンドクサがりな怠け心に打ち克ち苦労や忍耐を学び、日々に己自身との真剣勝負の場数を踏むかが何よりも頭を従い活かすためには大切なのでしょう。

頭で考えたなら、やれないことややりたくないことばかりでしょう。しかし、実際は現場を体験してもらうことでその一つの現場から学んだ有難いご縁や感謝を実感したらもっと実行していきたい、もっと恩返ししたい、もっと成長させてもらいたいと思うのが人間です。

頭も心に追随して困っている人たちに貢献したいと願っていますから、有難い現場をいただいていることにいつも感謝し、その中から学んだ気づきを改善してより行動を増やしていけばいいように思います。

私も今までの人生を思い返せば、行動してきた御蔭様で今が在ります。今の自分を創ってくださったのは出会った方々と尊い体験と、御縁といった場数でした。心が突き動かされるのはその場数に対する感謝があるからかもしれません。

長くなりましたがバランスの善い人というのは、頭を活かして行動が伴う人です。

知行合一に人生の実践を味わい、世のため人のために盡力していきたいと思います。