本元の味

昨日、ある方にお会いすることができました。ずっと以前から知っている方でしたが、ご縁はいつも不思議で「場・間・和」の織りなす今のタイミングをいただけます。あの頃ではお会いしても全く分からなかったと、今、過去を振り返れば思うものです。

自分が通ってきた道の延長上にいらっしゃる方とのめぐり会いというのは、自分が通っているからこそその存在の価値を認識し、まるで過去と未来が回転します。

改めて道縁の素晴らしさに感謝するばかりです。

人は無意識ですが、風土の魂が宿るのではないかと私は思います。その風土とは、この私たちの住まう土地のことですがいつもそことつながり結ばれているのが私たちのいのちのように思います。

だからこそその自然の中には風土の魂ともいい、そういう人物のことを大和人と呼ぶのかもしれません。私自身の中に流れるその大和魂との邂逅も、道縁によって顕現してきます。

昨日は、ワークショップについてや様々な西洋からの教育手法についてのお話を拝聴することができました。この方の素晴らしいのは西洋から来たものを自分で美事にアレンジし、自ら風土に合うように仕上げていくところです。それはまるで海外の料理を、日本人が日本に合うようにアレンジしまた世界に返り咲かせるかかのように日本の和の精神を存分に取り入れたものに調理していきます。

私が目指した味付けをもう随分と先に現場で実現されており、ただ感動するばかりでした。なぜそうなるのかと内省するとき私が直観したのは、そこに「師弟一体心の境地」を感じました。

これは、日本の職人文化に似ています。師が全身全霊で弟子のことを思い、弟子も命がけで師を思う、その間、まるで自他一体の真心で智慧を受け継ぎます。そのようにして様々なことを結和させたのではないかと、これは智慧の感得力です。

そういうそもそも別であるものを自分のものにしていくチカラというのは、風土の魂や和の心が存分に発揮されたものではないかと私には感じます。そしてそういう人だけが「本元の味」を知っているのでしょう。本元の味を知るからこそ、様々な文化を含有でき異質なものを融和させていくことができるように思います。

本元の味が分かる人物に出会えるというのは、本当に仕合せなことです。
御蔭様の御引き合わせと、めぐり会いに心から感謝しております。

子ども達の未来のためにも引き続きこの縁起と学問を味わい楽しんでいきたいと思います。