自分らしく語る文学

アメリカのロック音楽界の重鎮、ボブ・ディラン(75歳)が、2016年度のノーベル文学賞を受賞しました。音楽家としてははじめての文学賞の受賞で、世界では賛否両論あるそうです。文学と音楽は別のものだと思うのは大きな勘違いで、そもそもすべての学問は分かれるものではなく一つのものです。

今回の受賞の理由は、選考にかかわったサラ・ダニウス事務局長から古代ギリシャの詩人・ホメロスの名を引き合いに出しながら、ボブ・ディランは「口語で表現する偉大なる詩人」と評されたそうです。これはかつて日本でも尾崎豊のように弾き語りをしながら即興で音楽を詩に乗せていたのを私も覚えています。言葉を語り文字を紡ぐというやり方は、そのままその心のままに綴り文を磨くことに似ています。

いろいろと言う人もいますが文学とはそもそも誰かの主観で独占できるものではなくみんなのものですから、それぞれの見方があることはいいことだと私は感じます。十人十色あってこそ、その解釈が新たな文学のエネルギーになっていくからです。自分らしくあることこそが、伝統に根差した学問であろうと私は思います。自分の中にあるボブ・ディランがあっていいと思います。そのうえでブログで紹介します。

ボブ・ディランにはこういう言葉もあります。

「あなたの心に従ってゆきなさい。そうすれば最後にはきっとうまくいく。Boy, go and follow your heart. And you’ll be fine at the end of the line.」

心のままに弾き語る、その姿から生き方や実践からのメッセージ性を感じます。他にもこういう言い方もします。

「私が自信を持って出来ることは、自分自身であること。たとえ自分という存在が、どんな人間であろうとも。」

「僕にはヘンな癖があるけど、捨てなかった。それがぼくの個性だから。」

自分自身であることを大切にしました。そして自分らしくあるものと向き合うためのチカラを伝道してきました。

「最低の犯罪者とは、間違ったものを目にし、それが間違っていることに気づいたにもかかわらず、そこから目を背けてしまう人たちだ。」

「僕はよそ者だった。ますます疎外感を感じた。違うのに道づれにしようとするんだ。」

「ヒーローとは、自分の自由に伴う責任を理解している人のことだ。A hero is someone who understands the responsibility that comes with his freedom.」

そして行動すること、自ら変化を促すことを語ります。

「やらなきゃいけないことをやるんだ。そうすればうまくいくさ。You do what you must do and you do it well.」

「朝起きて夜寝るまでの間に、自分が本当にしたいことをしていれば、その人は成功者だ。A man is a success if he gets up in the morning and gets to bed at night, and in between he does what he wants to do」

「日々生まれ変わるのに忙しくない人は、日々死ぬのに忙しい。He not busy being born is busy dying.」

「泳ぎ出したほうがいいよ。そうしないと石のように沈んでしまう。」

「私は一日の中で変化する。朝起きた時はある人で、寝る時は確かに別人だ。」

理想を求めて歩んでいくことの大切さを語り綴ります。

「すべての美しいものの陰には、何らかの痛みがある。Behind every beautiful thing there’s been some kind of pain」

最後に、いろいろな賞があろうがなかろうがずっとボブ・ディランさんの歌は普遍性を持っているように私は感じます。

「どんなレッテルを貼られてもかまわない。歌うためなら。」

志を定めて生き切る方の背中には勇気をもらえます。どんなレッテルを貼られても構わない、子ども第一義のためならとやりきっていきたいと思います。