未来の危機

マネジメントという言葉の発明者にピーター・ドラッカーがいます。経営をすればこのドラッカーの言葉は共感することが多く、会社とは何か、経営とは何か、何のために経営するのかの道理が語られています。

そのドラッカーの言葉には、目を覚まされることが多くあります。

例えば、「日本が直面しているのは危機ではなく、時代の変わり目=移行期なのです」という言葉。危機とは何か、危機とは変化を迫られているということです。

私の好きな言葉に、GEのジャックウェルチの「change before you have to」があります。これは変化を迫られる前に自らが変わるという意味になります。人間は変化が押し迫ってからその変化に背中を押されてはじめて変わろうとしますがそれは自分から変わったのではなく、変化によって変わらせられたのです。

同じ変化に対応するのであっても、受け身になって変化するのと主体的に変化するのとでは変化に柔軟に対応した本質が全く異なります。主体的な変化とは楽しく発見と好奇心と共に変化そのものになっています。自分の力を用いて変化になったか、それとも外圧的に変化させられたか、そのプロセスは成長や自己のブラッシュアップにおいて大きな差になるのです。

またドラッカーはこういいます。

「起業家は変化を当たり前のものとして見る。自ら変化を起こそうとはしないが、変化を探し、変化を機会として利用しようとする。それが起業家である。

そもそも変化を特別視するか、それとも変化を当たり前だとみているか。変わらないことの方が普通であるか、変わっていくことの方が普通であるか。マネジメントにマンネリはありません、だからこそ常に自分自身をブラッシュアップするために日々に実践を改善し続けるのです。また日々に学んで、自己を新しくし続ける努力を怠らないのです。

今日これをやったらから明日も同じことをやればいいという発想はどこか、自分の力を発揮していないように思います。危機感とは、危険と好機であるとJFケネディも言いましたが常に隣り合わせにある希望と絶望を行き来しながらも挑戦を已めないことで人間は変化そのものになっていけるように思います。

またドラッカーはこう言います。

「変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすことである。」と。

いい経営実践とは、常に自分を変化させ続けること、挑戦を続けていくことだともいいます。

ここまで書いて伝えたいのは、本当の危機(リスク)とは何かと思えば「変化」しなくなることだということです。このまま変わらないと思っていることほどのリスクもなく、危機は突然来るのではなくもう危機だということに気づけるかということなのです。それが変化の中で生きる本能の姿でもあります。

またこうもいいます。

「このような転換期に生き残るためには変化を待っていてはいけない。自ら変革の担い手となりなさい。もちろん大きなリスクがある。でも受身で変化に飲み込まれてしまうより、リスクはずっと小さい。」

自らが変化の担い手になるということ、自分が先に変わっていきなさいということです。

最後に未来学者と称されたドラッカーの箴言です。

「未来を予測するだけでは問題をまねくだけである。なすべきことは、すでに起こった未来に取り組み、あるいは来るべき未来を発生させるべく働くことである。

自分が未来を創り出せと激励があります。未来はこうなるからと予測しただ準備すればいいのではなく、未来を自ら創り出すことのために働くことが未来そのものになることです。言い換えるのなら答えをもって生きていくということです。

カグヤは子ども第一義の理念を掲げ、先に未来を定めています。

引き続き、実践を積み重ねて改善を続けて子どもの未来に生きていきたいと思います。