邂逅

今年を振り返ってみると、本当にたくさんの懐かしいご縁をいただきました。ご縁は不思議で、歳月を超えて出会うものです。それは師友との邂逅であったり、伝統との邂逅であったり、暮らしや道具との邂逅であったり、何度も繰り返し私たちは結ばれながら円環していきます。

意味のないことはこの世には存在しないとわかっているつもりでも、どうしても視野が狭くなり自分の見ている世界だけに囚われてしまいます。

ふと夜空を見上げれば、星々が無数に広がる宇宙の中に私たちが存在しているのを実感することがあります。この不思議な存在である自分自身を観照すれば、存在しているなにか偉大なものを感ぜずにはおれません。

繰り返し繰り返し、私たちは思い出や体験を記憶にして輪廻転生していくといいますがその一つ一つの出会いもまた輪廻転生しているのかもしれません。いのちを活かすというのは、大きな意味では出会いを活かすことです。

ひとつの出会いから人生が変わり、一つの出会いから意味がついていく・・・

意味が何かを知ることは、自分自身のいのちの旅を知ることです。このいのちはどのような旅を続けてきたか、そしてこれからどこに向かっていくのか、今はどうなのか、その意味は何か、このように内省を続けることで忘れられていた記憶にたどり着くことができます。

それを「邂逅」というのかもしれません。

この一年、いろいろなことがありましたが私の人生にとっては大きな節目の年だったと思います。恩返しに生きる人生に悔いはありませんから、引き続き私の天命を全うできるように日々の暮らしを充実させつつ意味を紡いでいのちの記憶を伝承し、子どもたちに譲っていきたいと思います。

今年も御蔭様に見守られた一年でした、ありがとうございました。