多様性こそ変化

多様性というものは、その土地の気候風土によって彩られていくものです。世界の国口にいけば、その土地の食べ物や建物、そして人の種類や生活環境すべて異なっているのは一目瞭然です。日本国内であっても沖縄から北海道まで、少し山を越えるだけでも生活環境も雰囲気も異なるのはこの気候風土の影響があるからです。

私たちは適応能力といって、環境に順応する力が備わっています。これは簡単に言えば環境の方を変えずに自分の方を変えていく力のことです。自然環境や風土が変わりませんから、進化の過程でたとえば寒さに強くなったり、乾燥に対応できたりと、その気候風土によって自分自身の耐性を高めていくのもその一つです。

人間には気候風土に適応できないからと自分に合った気候のところまで移動し続けた民族と、その場に留まり智慧を働かせて気候風土に従い適応してきた民族とがあるともいえます。

私たちは潜在的にあらゆる環境に適応できる能力があり、その能力を磨くかそぎ落とすかで自分を適応させます。自分の中にある能力のどの部分を遺すか、磨くかはその人の生き方が決めます。

世界はグローバリゼーションの名のもとに、どんな場所でも快適で便利な環境を生み出してきました。それは言い換えれば、自然に順応するのをやめて自分たちの都合のよいように環境の方を変えてしまおうとする考え方です。この考え方は多様性ではなく画一的に世界中を自分たちにとって快適な環境に換えさせるということです。自分たちが快適になる分、他の生き物たちにとっては不便で劣悪な環境になっても気にしないとしていたらそのうち因果応報で自分たちに投げたものが反ってくるように思います。

多様性の本質は、気候風土に適応し自分たちを変え続けることで発揮されます。自分以外の何かを変えようとする便利な生き方を見直し、自分自身を変えていこうとするところにお互いの持ち味を活かし合う相乗効果も発揮していけます。

引き続き、多様性の豊かさを味わい自分自身を変え続ける努力をたのしみたいと思います。