風土の醸成

私たちが生きていく上で目には観えませんが確かに存在しているものに「仕組み」というものがあります。この仕組みとは、根本的な原理原則のことでもありこの世の中や自然界でも様々な仕組みによって風土が仕上がっているのが分かります。

例えば、自然界では様々な生き物たちが共生し、多様性を尊重する仕組みがあれば生命は豊かになります。この時の仕組みは「共生」というものを用います。他にも社會であればその中で協働したり助け合えば「貢献」という仕組みもできます。このように自然界においても様々な仕組みが折り重なって私たちはその風土の中で仕合せを享受されます。

かつてピーター・ドラッガーが『「体質」「組織風土」とは、「仕組み」「判断の傾向」「ナレッジ」と言い換えることができる。』ということを言いました。つまりは、仕組みとは、組織風土でありそのものの体質を決めるということです。

この仕組みといった原理原則を学び、それを環境に活かすことができる人物こそ風土を司るリーダーになっていくのです。会社の変革や、自分自身の体質を変えるためにもまず実行すべきはこの原理原則を学びその文化を風土に醸成することが先決なのです。

ソフトバンクの孫正義氏が「精神論は大切ですが、百万回精神論を唱えてもなかなか変わっていきません。リーダーとしてそれ以上に大事なことは仕組みを変えることです。 仕組みが変わればおのずと精神は変わっていきます。」という言葉を遺しています。

まさに、自己の体質を変えるのは判断の傾向を変えることでそれは世間一般から刷り込まれた常識を捨てることや、過去の自分の思考の癖をかき直すことや、目指している理想に対してそれに合わない働き方を見直すことです。必死に何度も勉強することも大事ですが、精神論だけでは風土は変わりません。

具体的に風土を変えるには、風土が変わる仕組みを優先することです。仕組み創りをするとき、私たちは文化に出会います。自分たちの風土に適っている働き方を仕組み化することが日本精神の伝承であったり、伝統文化の継承であったりもするのです。

メリハリやミマモル、モッタイナイやムスビなど、このような言葉もまた精神論ではなく具体的な仕組みになったときはじめてその文化が顕現してくるのでしょう。

引き続き子どもたちのためにも、環境を変えて仕組みを創造しこの今の風土を醸成していく挑戦を続けていきたいと思います。