みのる

人間は信じて実践していくことで、様々なことが実っていきます。この実るというのは、心がけを続けていくことで竟には形になっていくということです。

この「みのる」は、言い換えれば「いのる」ともいい、いのちを懸けて信じ続けていくことで「いのりになりそれがみのり」になるということです。

この季節は、お米をはじめ様々な野菜たちが収穫の時を得て実ります。その実りは、そのいのちを伸ばしてきたことで結ばれた実りです。これを結実ともいい、さまざまなご縁の中でお互いに活かしあい和合しあい実を結ぶことができたということです。

一つの実を結ぶためには、本当に多くのご縁が必要でその一つ一つに対して丹誠を籠めて取り組むことで心が結ばれて実が成るのです。

この丹誠は真心のことで、丹精とも書きます。これは丹精の「丹」は赤い色を指し赤心のことをいいます。赤心とは赤ちゃんの心、つまり丹も精も嘘偽りのない純粋な真心のことです。

丹誠を籠めて労を惜しまずに実践し続けることを精進ともいいます。

人間は何を信じて生きていくか、何を信じて行じていくか、それが生きる修行であり結実する人生の姿のようにも思います。どんな状況下であっても、どんな環境下であったとしても、それでも丹誠を籠めて生きていくという心がけこそが実りになるということでしょう。

どんなに少なくどんなに貧弱な実であったとしても、その実からつながった種によって前進し続けることができます。思い通りの結果にならなかったにせよ、その種は次の未来への希望となります。

希望こそが結実の姿であり、希望を結ぶことで私たちは今につながっているのです。希望の光は、いのちの輝きであり、いのちの輝きはみのりによって燦然と道を照らします。

希望を子どもたちに譲っていくためにも自分の信じた道を自分の信じたやり方で貫徹し、道を切り拓いていきたいと思います。