心の平和

人間は、様々な体験を経て人生を創造していくことができます。どのような濃密な体験をするか、言い換えれば如何に今を充実して生きるかは、心の持ち方次第とも言えます。

この心の持ち方は、何のために生きるのかという問いからはじまる生き方で決まります。生き方とは、人生の在り方であり、自分の存在理由のことです。

日々に忙しくなってくると、目先のことや周囲の些事に心を奪われていくものです。心が奪われて心を亡くせば心を手放してしまうものです。

そうならないためには、日々に反省し、自分の心はどこに在るのかを確認し続けなければなりません。

自分自身の心を見つめることができる人は、心の在りようが如何に人生に大きな影響を与えるかを自覚しています。心の在りようを確認するには、常に心がどのように活動しているか、今、どのように感じて、何を学んでいて何をやりたいと思ったのかと常にその動きを捉え続けて見失わないようにしていかなければなりません。

心が何処にいったのかわからなくなるから人間は迷い惑い、ブレてしまいます。大きく揺れても、自分の心の在りかさえ見失分ければ自分に与えられた天分を発揮するためにまた今に集中していくことができるのです。

今の時代、心を向き合う時間や空間、場が少なくなってきています。夜空を見上げる時間もなく、そのような満天の星空が観える場所は都会にはありません。そして静かで穏やかな時が流れる空間、また自然物と自然循環と合致していくような暮らしの時も失われています。

人間が本来、生きていくのに絶対的に不可欠な心と一緒に過ごす時間を持てないというのはとても悲しいことです。宗教者や教育者において、平和はそれぞれが常に願うところであるはずです。なぜなら人類を戦争などに導きたいはずはないからです。

だとしたら「心の平和」は、何よりも優先すべき実践項目です。心の平和が広がり、子どもたちの未来に豊かな人生が推譲していけるように日々の内省を味わいながら心の仕事に取り組んでいきたいと思います。