スマートコントラクトと子どもの未来

ブロックチェーンにスマートコントラクトという言葉があります。日本語でいうと「自動化された契約」という意味になります。ウィキペディアには、「スマート・コントラクト(Smart contract)とは、契約のスムーズな検証、執行、実行、交渉を意図したコンピュータプロトコルである。スマートコントラクトには第三者を介さずに信用が担保されたトランザクションを処理できるという特徴がある」と書かれます。

このトランザクションは取引履歴のことでプロトコルはコンピューター間の約束事のことです。スマートコントラクトは、管理者を設けずにお互いに信頼し合って取引を成立させる仕組みということになります。

もともとこのスマートコントラクトという概念は、仮想通貨が誕生するよりもかなり以前、1994年にNick Szaboという暗号学者によって提唱されたそうです。

通常は、銀行や政府に信用を任せてお金や権利などあらゆるものを依存していきますがそれがなくても信用が担保できるという仕組みということでもあります。非常に高い透明性が発生した時、お互いのことをお互いに疑うことをしなくなるということはどういうことか。

一昔前に、日本の習わしに「お天道さま」という概念があったといいます。天罰という言葉もあったといいます。私の小さいときも、祖父母にはこの天罰やお天道様という概念がありました。

つまりいつも「天があなたを観ているのだから正直であること」ということを幼いころからの躾や教育で持っていたのです。誰も見ていないからと悪いことはしない、自分の心に正直であること、神様やご先祖様に恥ずかしいことをしないなどということを意識し、何か偉大な存在に対して畏敬・畏怖がありました。

そういう社会であったから、みんなで信用信頼しあって道徳的な社会を築いていたといいます。そうはいっても、戦国時代をはじめ世の中が荒廃すれば自分さえよければいいといった価値観も横行し、悪いことや詐欺、裏切りなどが当たり前になりました。その時、やはり中央集権で権力者の法規などによって管理して歴史は何度も繰り返して調整してきました。

ここに来て、ブロックチェーンの技術が誕生しその目には見えない部分、かつての「必ずお天道様が観ている」の概念がまさに可視化できることになり、世の中はこれからどのように変化があるのかの実証実験がはじまっているともいえます。

ある意味、権力者が居なくてもいい世の中、誰かが信用の責任者をしなくても信用しあう世の中、これは平和な社会であることは間違いありません。信仰というものが目指す一つの理想郷かもしれません。

どちらにしても、スマートコントラクトという概念がこれからIT、ブロックチェーンを使いどのように変化するかは具体的な活動とセットになることは間違いありません。私もこの場所から、徳の概念の実装と共に子どもたちの未来を善くするために挑戦をしていこうと思います。