場数の妙

私たちはバランスや調和の中で進化、変異を続けている存在です。これは昨日、ウイルスのことでも書きましたが何度も繰り返されるプラスとマイナスを組み合わせてゼロにしていく中で何回もしくは何億回に1度にだけ調和ミスが起こり形が生み出されていくのです。

広大な宇宙の仕組みと、この身近の最小の仕組みは原理と法則に従って同じことが発生しています。つまり私たちはどんなに分かれていると思っていても宇宙という空間の中で存在しているものですから当然、宇宙の原理原則の中にあるのです。

神話には、伊弉諾と伊弉冉の話で1000人をこれから黄泉の国に連れていくといったら1500人産み続けて増やし続けるという話がありました。もともとはこの世に死というものがなかったものが、このことで発生し、生死の数が微妙にずれるということになったのです。

現代科学でも、素粒子や原子や電子のことがわかってきています。もともと天文学的な回数の調和と破壊の繰り返しの中でのゼロが、ある時突然変異して形というものが出てくるということまでは解明されてきています。

これは私の仮説でもありますが、太陽系も銀河系も、この世の宇宙は基本的には規則正しく相対的なものが毎回、お互いの性質によって消しさってゼロになります。しかし物凄い回数か時間をかけて、ほんの小さな変化が誕生します。それはどちらかの性質がほんの少しだけ強いということでしょう。先ほどの神話であれば、生成するエネルギーの方が崩壊するエネルギーよりもほんの少しだけ強いということになります。

宇宙の本質は、無から生成発展していくということです。物を産み出す原理はこの循環の中で誕生する微細な変化が偶然にも奇跡的にも現れるということでしょう。発明もまた何度も何度も繰り返す中で、エジソンが電球を産み出したように誕生するのです。

そう考えてみるとき、私はこの「場」で誕生する「場数」というものが大きな意味を持つことを感じます。場は、現代科学では場の量子論というものが解明されてきています。場には、素粒子や波動がありまるで空間の中の無に意志が宿るように場が存在するというのです。

私は場の道場を運営し実践していますが、場は繰り返す中で場数が誕生し、その中で奇跡もまた発生してくるのを何度も見てきました。これを場数の妙と名付けています。私たちはこの宇宙の真理を語るのに、この「場」の存在がこれからは何より重要であり、場数とは人類が新たな困難を乗り越えるために必要な思想であり原理になるのは自明の理です。

子どもたちのためにも、場数の価値を伝承し場数を磨いていきたいと思います。