幸福の転換

WHOの2021年の世界保健統計によると世界の総人口は約76億7696万人となっています。世界一は中国ですが、次はインド、アメリカと続き、日本は11位につけています。小さな島国ですが、これだけの人口を抱える国ということになります。

しかしよく考えてみると、人口増加を続けていますが今、急に都市化して発展しはじめた国の人口は若い人が増加し、少し以前に発展していた国はお年寄りが増加しているということになります。同じ人口といっても、そこには年齢の偏りもありますし男女比というものもあります。また亡くなるまでの平均年齢の差もあります。

日本は少子高齢化なので、子どもが少なくなりお年寄りが長生きする国になってきています。ここから考えると、子どもたちがお年寄りを支えるために未来を担う必要があります。特に都市型の福祉施設が増えていくとその費用負担は子どもたちにのしかかってくることも想像できます。

むかしは亡くなるまでの平均年齢が低かったといいます。戦国時代くらいまで遡っても50歳前後には亡くなっていました。今では、この年齢が働き盛りといわれます。つまり、長寿社会になってから人は死ななくなったのです。病気、飢餓、あらゆるものを克服してきて今に至ります。そうやって寿命が伸びたからこそ人口が増えているということもあるのです。

本来、寿命が伸びたのだから緩やかに穏やかにみんなで暮らしていきたいと願うのが人間だったはずが経済競争社会の中で常に走り続けて速度を上げていきました。働くことが自分らしく役に立つということが中心にあるのなら、それは幸福ですからみんな自分の足で立ち、尊重して支え合って暮らしを創っていくことができるでしょう。IT化、AI化はまだ進化しますから速度はさらに上がっていきます。そんな中で、私たちはこの長寿社会と人口増加の中でどう生きていくのかを正対していく必要が出てきています。

人間は、生まれてから死ぬまで自分の身体を使って主体的に生きることを喜びにしています。そしてそこに幸福感というものがあります。もともと日本人は、明治以前までに来日した外国人による記録は簡素だが幸福感に充たされている国というイメージだったそうです。

人は何のために生まれてきた、何のために生きるのか。

未来から鑑がみて今、どうすることが未来の子どもたちのためになるのか。世界の人口がかつてないほどに膨れ上がっている今だからこそ自分たちの身の振り方を定め実践し、未来の子どもの幸福のために転換していきたいと思います。