人生という鉱山~物語を仕立てる~

人生の中ではいろいろな出来事が起こります。それは予想のつくものもあれば、まったく予想外であることもあります。それは日常と非日常の異なりと同じく、予想がつくのが日常で予想外が非日常です。その両輪を行き来しながら人は一度しかない自分の人生の物語を自分で創造していくものです。

かつて文化庁長官を務めた河合隼雄さんは、心の専門家としてとても素晴らしい言葉をたくさん遺されています。私もこうやって日々に心に正対してブログを書いていますが、共感するものが多く、不思議なご縁を感じております。その河合隼雄さんの言葉で、

「物語の『主人公』は自分。人間は一人ひとり違うのですから、それぞれが自分の物語を作っていかなければなりません。」

「『せっかく生まれてきたこの世で、自分の人生をどのような物語に仕上げていこうか』という生き方の方が幸せなんです。」

があります。

人生はどうなっていくのかと不安がる前に、大切なのはこの自分の物語をどのように創造していこうかとしていくことこそが豊かな生き方であるということです。よく幼少期から周りの大人や学校で夢や目標を設定され、それに向かっていくように教えられます。しかしそうするとそうならなかったら不幸、叶わないことがよくないことのように勘違いしてしまうものです。

それよりも、どんな出来事があったにせよどのような物語にしようかと自分の人生を自分なりに物語にして楽しく豊かに語っていければそれはもう仕合せといっていいものです。この仕立てる仕合せというものは、自分なりに生きていいということあり、まるで一反の反物を自由に誰とも比較せずに織っていいんだよという天の声のようです。

比較競争し目標管理をすることが社会の通念になっている中で、如何に自分らしく自由に生きていくかはこの「物語」を仕上げていくという心持に由ります。

今日はどんな物語がある一日にしようかとワクワクドキドキし、一日の終わりにはどんなことがあった一日だったかと内省しご縁と仕合せに充実していく。こういう繰り返しによって人生の物語は彩られ、主人公としての自分に磨きがかかってくるのです。

昨日は、石炭のボタに文字を彫りこんで磨いて石と対話し歴史を感じ心が感動して泣いている人を観ました。その人は夜には私たちは炭鉱夫のようなものだとも言いました。人生の物語を主人公として生きていく人は、どんな出来事もご縁も出会いもすべてドラマチックにしロマンチックにしていきます。同じ人生であっても、心持一つでそれは変化していきますから純粋無垢な心をどのように仕立てていくかも自分次第です。

最後に河合隼雄氏の言葉です。

『人間というものは自分で自分を知らない鉱山のようなもの。自分を生きるということを考え始めると、「こんなこともできるんじゃないか、これもやれるんじゃないか」――と自分を発見することができます。』

これもできるこれもやれる、なんでもできるじゃないかと思うところに夢はあります。夢に向かって挑戦していきたいと思います。

  1. コメント

    中学高校の頃、自分に自信がなかったと振り返ると感じます。自分には何もないと思っていましたが、高校以降の進路を自分で決め歩み出すとともに少しずつ今につながることがはじまったと感じています。カグヤに入社するに至る過程を振り返り、話すことは自分自身にとって感情も含め思い出すものがあります。まだ始まったばかりですが、感動して涙するほどのものに出会えるよう挑戦していきたいと思います。

  2. コメント

    「自分の思うようになる」というのは、自己中心的で自分に軸足があります。それは、自分に都合よくまわりを動かそうとしますから、実はすごく傲慢な考え方で、小さな世界です。まずは、この「自分の思い通りになることが成功であり自己実現である」という発想をやめ、「自分の思い通りではない人生」のなかでいかに自己を素直に発揮していくか?!そこを楽しみたいものです。

  3. コメント

    やれるかやれないか、常識的に考えて、普通に考えて、様々な思いがよぎり、行動を狭めてしまったり、良識的な判断をしてしまいますが、その決断こそが自分を守ろうとしていないだろうか、自分の評価を気にしていないだろうか、それこそ自分に軸足がないだろうかとよく考えていきたいと思います。常識にとらわれず、自分の人生なのだからこそ、軸足を世間様に置いてみて、いろんな使い方をしてみたいと思います。

  4. コメント

    出逢った方々と何を大事にしていきたいか、それはやはり生き方や生き様の方だと感じます。今回の合宿は「縁」というテーマがあるように感じますが、様々な方の生き様にふれ、学ぶことや大事にしたいことを思い返す機会を沢山いただきました。磨き合える仲間がいる有難さを感じながら、素直な心で掘っていく楽しさ歓びを共に味わっていきたいと思います。

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