種と土の邂逅~つなぐチカラ~

私たちが今感じたり味わったりする文化や伝統は古来からずっと存在しているものです。その存在しているものを引き出し繋ぐことができれば、現代にもその初心を多くの人々と分かち合いみんなで引き継いでいくことができるように思います。

時と自然淘汰のめぐりによってその本体は次第に風化しその姿カタチは必ず失われてまた甦生を繰り返すのは循環のめぐりであり宇宙普遍の摂理です。目には観えなくなっていても確かに存在したものは人々の心に魂の記憶として伝承されており、その魂を思い出す人たちによって常に失われずに甦生していくのが人類の叡智と伝統文化の本質でもあります。

伝統には「古くて新しい」という言葉があります。

これは文化と文明の間の甦生を意味し、本来あった本質を今の時代につなぎ顕現されるといってもいいかもしれません。古代と現代をつなぐ、人と人の心をつなぐ、目に見えるものと目に観えないものをつなぐ、それはこの「言葉」(言霊)のチカラのように和合したものをはっきりと一つに融和し伝えることもまたつなぐチカラの役割です。

そのつなぐ方法や智慧は、代々その土地の風土や文化によって異なってきます。太古のむかしから私たちの国は「言葉の霊力が幸福をもたらす国」であると語られ、いのりの言葉によって永遠の今に言霊を奉げ祀ってきた民族であるともいえます。

それが発展し音楽や芸能とむすびつき、時には神楽になり、時には歌になり絵になり、それが心を顕し神を奉る工夫が発展してきたのです。

しかし時は無常ですから、その本質も広くなればなるほどに薄まっていき、増えれば増えるほどに擦れていき、その本質がたくさんの言葉によって隠れていくのです。

今の時代は情報化社会ですからより一層、スピードが増し、情報が氾濫する中で、私たちは大切な本質を敢えて選ばなければならなくなっているとも言えます。本来の姿、古代からある方向を見失わずに確かな足取りで前進していく必要があるのです。

そのために「つなぐ」ことは、とても大切な使命を帯びた志事です。

一人でも多くの人が、初心に目覚めそれぞれの方法で温故知新し、伝承をしていくことが未来の子どもたちのために確かな種を蒔いて遺していくことのように思います。自然は種があればまた根を張り成長していきます。一粒万倍とあるように、種さえ遺してそれを蒔いてまた育ててくれる人がいるのならその種は未来を自然に明るくしていくのです。

そのためにも「土」をつなぐことが大切です。土の上であれば種は根を張り太古の養分を受け取り成長していきます。しかし人間が身勝手な道路を舗装し、アスファルトで土の上を塗り固めていくことで土が隠れてしまっていますがそのアスファルトが取り払われれば元の土が出てきて地球は甦生します。種がちゃんと根を張れるようにしていく必要があるのです。自然のチカラを使って自然に回帰する、それが私が教育や保育の志事に私がいのちを懸けるのもその一点に集中しているかであり、子どもたちの未来のためにもその初心をつなぎたいのです。

今回の一期一会の沖縄での出会いに深く感謝しています、このご縁によって魂が揺さぶられ多くのインスピレーションをいただきました。引き続き種と土をつないでいきたいと思います。

  1. コメント

    「時代が変わる」ということと、「時代を引き継ぐ」というのは別のことです。それは、引く継ぐべき「バトン」が見えているかどうか?!であり、その「バトンの意味」が分かっているかどうか?!でしょう。またそれは、自分が「その土地の歴史に参画しているかどうか?!」あるいは、「言霊を受け継いでいるか?!」という意識の違いでもあるでしょう。「自分の価値観」で安易な判断をし、「大切なバトン」を落とさないように注意したいと思います。

  2. コメント

    「時代が変わる」ということと、「時代を引き継ぐ」というのは別のことです。それは、引く継ぐべき「バトン」が見えているかどうか?!であり、その「バトンの意味」が分かっているかどうか?!でしょう。またそれは、自分が「その土地の歴史に参画しているかどうか?!」あるいは、「言霊を受け継いでいるか?!」という意識の違いでもあるでしょう。「自分の価値観」で安易な判断をし、「大切なバトン」を落とさないように注意したいと思います。

  3. コメント

    種は土の中で生き、今年芽を出さなくても来年はタイミングを見て芽を出すというのはすごいことです。目には見えないところで根を張り、その分大きく大きく上へ伸びようとすると思うと、上へ行こうと先を目指すよりも足元を大事にしていきたいと思います。

  4. コメント

    自然は選ばず文句も言わず、今の最善を尽くしきるだけだと思います。だからこそ、自然は自然であり、受け継がれたり助けられたり、天とつながっていたりということなのだと感じます。天とのつながりを忘れずにいるには、自分が根を張ると決め、土になり、選ばない生き方をしていくことが大事なのだと今は感じています。出来るからやる、できないからやらない、人によって態度や対応を変える。そんな土では種も喜ばないのかもしれません。種が喜ぶ生き方を思うと、少しでも優しく選ばぬ生き方をしていければと思います。

  5. コメント

    毎年同じ場所で小麦を育てているから土が弱くなったとクルーが言っていました。畑の土であれば目で見ても状態は分かるかもしれませんが、自分たちを取り巻く環境をみた時にどうであるかは中々わからないものかもしれません。土の状態を気にせずに種を改良しようとするのではなく、そもそもの育つ環境がどうであるかを観ていきたいと思います。

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