頑張る意味

人間は時として長所が短所になり、メリットがデメリットになったりします。例えば、志や理想が高すぎる人、責任感が強すぎる人など、過ぎれば過ぎた分だけ魅力もありますが同時に、そのことから自意識過剰になって苦しみ、反って自他共に苦しめる原因になっていたりするものです。

自分を等身大の自分ではなく、身の丈を超えた自分になることを設定すれば自分というありのままの姿を認めることができなくなります。過度に理想の自分に期待したとしても、そんなに一足飛びに理想の自分になれるはずがありません。そのために頑張りすぎるほどに頑張り過ぎますが、その無理が自分というものの本当の実力の認識を歪めたり、自己否定ばかりが増え自分の自信をも奪っていくものです。

あるがままの自分の認識を持てるというのは自意識過剰ではないということです。ここでの自意識過剰とは理想の自分と現実とのギャップが気になり他人の評価や他人から見られる自意識ばかりが強くなりよく見せようと頑張ることを言います。そのままの自分、あるがままの自分を愛してもらえる安心感を捨ててまで自分が思っている理想の自分像を周囲に押し付けようとします。次第に完璧な自分を演じることが疲れを増大させ、そのことからさらに人間関係を円満に築くことが難しくなっていくのです。

高い志や理想がある人は常にギリギリのところを目指して頑張ろうとします。真面目であればあるほどに責任感に押しつぶされそうになりながら無理をして頑張ります。頑張るとは無理し苦しみの努力することだと幼少時から刷り込まれていますから、頑張ることが楽しくありません。

本来の頑張るとは、ありのままの自分で努力し今を楽しむことであり、その経過やプロセスを味わうことです。頑張りますというのは、私の言葉に言い換えるのなら苦しみの中にある喜びに挑戦しますということでしょう。そうやって努力を楽しむためにも無理をせず自分一人で抱え込まず、自分にできないことはみんなの協力を借りて一緒に目的に向かって挑戦していこうとするのが頑張ることの意義だからです。つまり頑張ることは一人で抱え込んで無理をすることではなく、自分にできないことを周囲に力を借りてでも達成していくという意味です。

そのために、応援するときに使うガンバレや仲間への励ましに一緒に頑張ろうという言葉もあります。本来、自分自身においても自我だけで無理をすることで自分のできないことをやるのではなく、ありのままの自分で肩の力を抜いて真我と協力してやってこうとすることであり、お互いに「もっと自然体でいこうね」というのが本来のガンバレの意味なのです。

どこでどう意味が変わってしまったのか、、きっと画一的な教育や比較競争、閉塞感のある社會の中で刷り込まれたのかもしれません。今の時代はガンバレというと、無理をするとになりますから、「あなたのままでいい、あなたのままがいい」や「ダメな分だけ魅力がある、できない分だけ仲間ができる、短所こそが長所である」などと意味を置き換えて認識する必要があります。安心して自分らしくいられる社會の時のガンバレの意味と、不安で自分のままでいられないときの頑張れの意味がこうも変わってしまうというのは残念なことです。

自意識過剰や自己中心的でで苦しんでいる人たちが増えているのもまた、多様性を認めない今の時代背景が影響しているのでしょう。

子どもたちがあるがままで今を楽しみ今を生き切れるように、自他を認め見守る社會を創造していきたいと思います。

 

  1. コメント

    「自我力」という表現があります。「自意識過剰」になり、自分の成果・評価ばかりがきになると、「自力」のつもりのがんばりが「我」の入った「自我力」になってしまうのです。そういうときは、がんばればがんばるほど、周りの声は聞こえず、「独り相撲」のようになってしまいます。これは、「がんばり方」がわからないのでしょう。仲間の「がんばれ!」の意味を間違わないようにしたいと思います。

  2. コメント

    今月の「致知」の特集は内発力で、辞書にはない造語だと言います。各界で活躍されている方の特徴は、外からの刺激によらす、内からの欲求によって起き、この強さがあるそうです。
    誰かの姿勢に刺激を受け、奮起したり、共に闘っていると、片思いではなく両思いの時、力が発揮されるのだと、高校球児たちを観ていて感じます。下手でも懸命に走り続けることを大事にしていきたいと思います。

  3. コメント

    先月の初心会議でも「自分の等身大で努力していく」という言葉がありましたが、楽しめなくなるほど先を観過ぎて焦っても仕方なく、またそんな時にどのように楽しめる工夫をするのかは大切であることを感じます。発達を見る視点の「次の課題ばかりではなく今の発達を存分に味わえているか」というものと同じく、今の機会を十分に味わい楽しむことで自然と次へと移り行く感覚を大事にしていきたいと思います。

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