学問の本懐

明日から第2回目の天神祭を聴福庵で開催します。その天神祭の案内をこのように書いています。

「日本人なら学問の神様として祀られている菅原道真公を知らない人はほとんどいません。その道真公は、クニの行く末を案じて子どもたちの学問を今でも天満宮から見守っておられます。徳や善、和合などのむかしからの日本の学問も今では誰も伝承しなくなってきました。私たち今の時代を生きる大人たちが萬古清風の学問を実践していくことで菅原道真公への報徳報恩の縁結びにしていきたいと願い開催する御祭です。ここでご縁のあった方々と共に天に問い、天から学び、天命を知り、豊かな場を醸成できることを祈念しています。」

最近では学問と勉強の違いがはっきりせず、学問を単に受験勉強だと思っていることもあるそうです。しかし本来の学問は、君子を志すものでありそれは生き方を示すものです。

吉田松陰は学問についてこういいます。

「学問とは、人間はいかに生きていくべきかを学ぶものだ。 」

如何に生きるかを問う、それが学であるとも言えます。またこうも言います。

「学問をする眼目は、自己を磨き自己を確立することにある。」

自己を確立することこそ学問の本懐であるということでしょう。その学問にとってもっとも禁忌があるといいます。それは、

「学問の上で大いに忌むべきは、したり止めたりである。したり止めたりであれば、ついに成就することはない。」

それは自分との約束を果たさない、心で決めたことを裏切ることを言うのでしょう。学問というものは、自己確立であるからこそ自分を掘り下げ、自分に刻むように自己錬磨や鍛錬を続けていかなければならないということなのでしょう。だからこそ私も周りから何を言われても初志を貫徹し続けているのです。

またこうも言います。「小人が恥じるのは自分の外面である、君子が恥じるのは自分の内面である。人間たる者、自分への約束をやぶる者がもっともくだらぬ。死生は度外に置くべし。世人がどう是非を論じようと、迷う必要は無い。武士の心懐は、いかに逆境に遭おうとも、爽快でなければならぬ。心懐爽快ならば人間やつれることはない。」

そして

「道を志した者が不幸や罪になることを恐れ、将来につけを残すようなことを黙ってただ受け入れるなどは、君子の学問を学ぶ者がすることではない。」

学問とは孤高で行い、超然とした気高いものなのかもしれません。菅原道真公もまた、その境地を持って学問に正対されたことが歴史から鑑みることができます。孔子と同様に単なる世間一般的な学者ではなく、君子であったのです。時に君子は時代によっては狂人と罵られることもあります。それだけ王道がその時代の常識とは異なる時代もあるのです。本流は変わらずとも、人間の流行や欲望や世論や価値観は好き勝手にその時々で変わってしまうからです。

最後に、自ら狂愚と名乗った吉田松陰から叱咤激励を籠めた私たちは子孫たちへの愛のメッセージです。

「思想を維持する精神は、狂気でなければならない。諸君、狂いたまえ!」

真実を維持し、本流を保つには変人と呼ばれることを恐れてはいけません。自分の信念に従って学問を高め、本懐を遂げるために天に恥じない、自分に恥じない生をを全うする。

  1. コメント

    学生の頃、勉強しなさい!とは言われてきましたが、学問をしないと言われたことはなく、試験のため、受験のためにしていたことを感じます。強いられ、させられたことはやはり身に付かず、将来大人になるために必要と言われても、何のために勉強が必要なのか意味を見出せませんでした。何のために生きるのか、一生の問いですが、ネットでは決して見つからない、自分自身の行き方を積んでいきたいと思います。

  2. コメント

    君子とはただ自らを高めようなどという気持ちで目指したものではなく、世の為、人の為、未来の子孫たちの為を思って自然と追い求め辿り着いたもののように思います。今の日本も見た目上は豊かなようでありそれにも感謝する必要はありますが、いよいよ食物も水も金儲けや思惑の道具となり子どもたちに大きなツケを残す危険が目の前にあることを思います。大人としての私たちが人間としてどう生きるかの選択を自らの本心に問い続ける必要があることを感じます。

  3. コメント

    「労働」と「仕事」、「働くこと」が違うように、「勉強」と「学問」の違いを押さえておかなければなりません。孔子が「学に志す」と仰ったように、それは「志すもの」です。自分の「人生」を意識し「生き方」にこだわり、その探求をやめない態度こそが大事です。天に学び、先人に学び、仲間に学び続けたいと思います。

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