グローバルリーダー

昨日、米国に本社を置くマッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルティングを経験し、医師でもありながら企業経営をされておられる方とのご縁がありました。

このマッキンゼー・アンド・カンパニーとはそもそも何かといえば、シカゴ大学の会計学教授だったジェームズ・マッキンゼー氏が、会計や財務に力点を置いたコンサルファームを1926年に設立しました。その後、1933年に入社した弁護士出身のマービン・バウワー氏が大企業の戦略策定に比重を置くスタイルを確立し、60年以上にわたってマッキンゼーをグローバル企業に成長させました。現在では米国、欧州、アジア、南米、東欧など世界60カ国に105以上の支社を持つグローバルな戦略系コンサルティングファームとして君臨し全世界の主要企業を対象に、年間1,600件以上のコンサルティング・プロジェクトを手掛けている企業です。

最近は、グローバルリーダーという言葉もよくきくことが増えてきました。このグローバルリーダーとは、国や地域、文化を跨ぐような多様性のある環境で、ビジネスリーダーとして活躍できる人材のことを指しています。つまりは、グローバル化した世界において世界の方々と共に活躍できるような世界的リーダーの一員ということです。

マッキンゼー出身の日本人の経営者に大前研一さんがいます。その方の言葉には、このグローバルリーダーの資質を語っておられるように思います。そのいくつかをご紹介します。

「国に頼らず、会社にも頼らず、日々勉強を続けることで、自分の「名札」にいかにして「値札」を付けるかを常に考えて働くこと。それこそが真の働き方改革であり、そういう人材はいつ、世界のどこへ行っても活躍し続けることができるだろう。」

「ロジカル・シンキングは、答えの範囲を取捨選択して狭めていくときには有効だが、それでは発想は広がらない。誰も気づかないような答えを出すときにものをいうのは、想像力や直感だ。」

「問題はあらかじめ模範回答があると信じて、それを見つけると問題は解決したと安心してしまう。しかし、こういう頭の使い方はまったく役に立たない。なぜなら、21世紀の問題の答えはひとつではないからだ。」

「コンサルティングでも、複数のコンサルタントを雇っている会社の仕事はしないことにしている。それから、「ウチの会社はこういうことがやりたいので、A社さん、B社さん、C社さん、提案書と見積書を出してください」という入札仕事も絶対にやらない。「大前さんしかいない」と言ってくれなければ、考え始めない。自分の人生の大切な時間を割いて、相手のために命がけで考える神聖な仕事である。量販店の売り物ではない。」

「私のコンサルティングの基本は「自分が社長だったらどうするか」である。現場に足しげく通って綿密なフィールドインタビューを繰り返し、経営トップが知りえないような情報をかき集めて、問題点の背景にある原因のさらにまたその原因や課題を炎り出していく。そして自分が経営トップならどう対処するかを客観的に判断して、具体的でわかりやすい提言をひとつにまとめていく。そうやって経営者にアドバイスすれば、私も経営者もお互い悔いが残らない。結果として、そのアドバイスが間違っていたとしても、「あなたは本当に私のために、私に代わっていろいろ考えてくれた。私もそれに基づいて決断した」と相手側も納得してくれるからだ。」

他にもありますが、世界で共通する一流のビジネスマンたちは常に同じ土俵で物事を語っておられます。最後に、グローバルリーダーに関する大前研一さんの言葉です。

「グローバルリーダーといっても、スタイルは決して同じではない。だが、共通点もある。それはものごとの本質を見抜き、答えを自分で考え出せるというところだ。」

答えを自分で考えだすということは、オリジナルであるということです。そのオリジナルとはまさに変人であるとも言えます。坂本竜馬も、吉田松陰も、歴史上に現れるすべての時代のリーダー(変革者)たちはすべてオリジナルそのものでした。

子どもたちが安心して自分を全うできるようグローバルリーダーから学び、オリジナリティの追求を楽しんでいきたいと思います。

  1. コメント

    私たちは、行き詰ると、つい安易に成功事例を探したりしますが、この「どこかにヒントはないか?!」という態度・姿勢は「オリジナル思想」には繋がりません。確かに「ヒント」はあちこちにありますが、それは、「自分で本質を探究しよう」とするところからしか見えてこないのかもしれません。焦らず、とことんこだわって「自分の頭で答えを出してみたい」ものです。

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