時を味わうチカラ

現代は便利なものが増えましたが、その分、便利さによって失われたものがとても多いように思います。

例えば、時間をかけてじっくりと取り組むことで得られる味わいというものはほとんどなくなりました。それは料理であっても、何かの創作であっても、そして心の豊かさであっても、時間をかけなくなることで失われました。

時間をかけることがよくないという価値観は、今のスピード社會を観ていてもわかります。早く結果をだすこと、短期的にリターンがあること、すべて短時間で行われていることが価値があるかのように評価されます。

便利になればなるほどに時間は短くなり、速度は速くなっていきます。まさに情報戦によって今の世界はあらゆるものが塗り替えられています、

これだけ速度があがり便利になると、今度は心がその速度に着いていけなくなります。例えば、心の豊かさもかけた時間をゆっくりと味わい、そしてそのことで得られる結果を再び振り返りながらじっくりと味わう。このように味わい追随があってこそ、深い味わいを感じられ豊かさが増えていきます。

心の豊かさは、このじっくりと時を味わい今の仕合せに感謝するときに深く感じられるものだからです。

人間は「時を味わうチカラ」というものがあって、はじめて真の豊かさを知るのかもしれません。二度とない人生、二度とない今だからこそ、この豊かな今を味わいきって子どもたちに仕合せを繋いでいきたいと思います。

  1. コメント

    「効率」という指標を持つようになり、得た成果を「かけた時間」や「かかった費用」で割るようになった結果、「得られたそのものをじっくり味わうという豊かさ」を見失ってしまいました。昔は「待つこと」も楽しみの内でしたし、また、「時間をかけること」は「変化を楽しむこと」でもありました。植物の育成や料理の過程、あるいは、行事の準備や旅の道中を楽しむという「心の豊かさ」を取り戻したいものです。

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