地下水の伝道

聴福庵をはじめ、今、建造中のBAも地下水をくみ上げた水を活用しています。聴福庵は、地下7メートルほどから。BAは、地下30メートルほどあろうかと思います。浅井戸と深井戸を用いています。

この地下水というものは、地下に溜まった水の総称をいいます。そして地面より下の水はすべて地下水と呼んでいいともいえます。また海を除き水のうち表面に現れた水、河川や湖の水は表流水です。

地下水は主に帯水層というところを流れ溜まっています。この帯水層とは、地中にしみこんだ雨や雪が土壌層を浸透してその下にある砂れき層の間隙(すきま)のことです。これが地下水の貯留槽です。この砂れき層の厚さは地域により異なり、数メートルから平野部では100メートル以上になる地域もあるそうです。河川は川幅が広くても1キロメートル程度ですが、帯水層は平野では地域によっては何10キロメートルの幅で存在することもあるそうです。

私たちが利用する井戸水は、この帯水層まで穴を掘ってそこから水を汲んでいるのです。

雨水が天から降り、その雨水を数年から数万年かけて濾過し地下水になっていきます。土壌の中の砂や小石、炭、などありとあらゆる鉱物たちが水を浄化し私たちが飲める地下水にまで濾過します。よく考えてみると、とても神秘的な自然の濾過システムで地下水には不思議な力が宿っていると信じられるのもそれだけの時間の経過があって時空を超えてきた水を飲んでいるからです。

地球の資源が枯渇してきている昨今で、空気の浄化や水の浄化、土の浄化などあらゆる浄化が持続可能な循環のためにも求められます。そしてその浄化はまず、その資源を貪るように大量消費する考え方から転換する必要があります。

それは言い換えれば、人間の心や精神の浄化ともいえます。欲望ばかりを優先し、徳を積む世の中にするのもまた浄化の一つです。浄化の本質は濾過することで、余計なものを取り払って穢れを洗い清めていくことです。

地下水の活用は懐かしい未来を子どもたちに譲るために大切なテーマです。引き続き、水の大切さを伝承できるように地下水の伝道をしていきたいと思います。

  1. コメント

    汚れを「洗い流す」とか「洗濯する」という発想がありますが、これはどちらかというと「表面的なもの」です。対して、「濾過」というのは、自浄作用として一段深いものを感じます。最初から目が細かいと詰まってしまいますから、「目の粗さ」は修行によって細かくしていく必要があるでしょう。目の粗さをどこまで細かくし、我欲や私心をどれだけ取り除けるか?!どこまでも純粋さを目指したいものです。

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