石のチカラ

むかしから石には魔除けの効果があると民俗学的にもわかってきています。石といえば、神社の狛犬なども魔除けです。沖縄で有名なシーサーなどは門の上に置かれていたり、家の屋根の上に設置されていたりするが、屋敷へ入ってくる魔物を払う役目があるといいます。

他にも沖縄には石敢當などがあります。これも災いを防ぐための魔除けのひとつで家の外のT字路の突き当たりにある屋敷や辻、そのほか三叉路になっている場所へ行くと石敢當が設置されています。

以前、鹿児島の知覧の武家屋敷を見学した時も同様に玄関の前に石を置いて魔除けにしていました。日本では、このように石を魔除けとして配置する民族文化があります。

この魔除けの魔とは、ウィキペディアにはこうまとめてあります。『「魔」とは、会意形声。鬼+音符「麻」、「麻」は植物のアサで人をしびれさせる(麻痺)させる効能を持つ。しびれさせ、正気でなくさせる「鬼(=霊魂)」。唐代以降に見られる文字で、仏教の悪鬼マーラの漢音訳『魔羅』を表記するために造字されたものといわれる。意義としては、人を正気でなくさせる異界の物。人が正気でない状態。』

魔が差すという言葉もありますが、邪気が入ってきたり執着が欲望にのまれるという具合なのでしょう。魔除けとは、人間がそういう状態にならない、もしくは正気をなくすことがないようにということです。

心を澄ませて清浄にしていれば正常な状態は持続されます。石には、人々の邪気や邪念を払うという効果があるようです。

そして自然界においては、災いを防ぐチカラがあると信じられていました。確かに、石は私たちの生活を風や雨、日差しからまもります。水や火、風、土、そのすべてから上手に守ってくれます。

災いというのは、ある意味では自然の仕組みですが私たちは石に守られて暮らしを実現してきたとも言えます。石との関係は永く、そしてこれからも石を大切にしていくのでしょう。

BAでは、その石を上手に使って様々なことに取り組みます。子どもたちに石のチカラを伝承していきたいと思います。

 

  1. コメント

    「正気であれば、人はそう判断を誤ることはない」と言われます。すなわち、「判断力」の問題ではなく、「判断するときの自分の心境」こそが大事です。そういう意味では、日々「魔から守る」という仕組みはとても重要です。ただ、魔は「外」だけでな「内」にも存在します。「我欲」を出すと、「己心の魔」が暴れます。「守り石」に感謝する度に、自分の内なる石も磨きたいと思います。

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