2020のテーマ

昨年を振り返ると、多くの同志や仲間に出会うことができた一年だったように思います。今までの自分では、出会うこともなかったような人たちとの出会いによって視野が広がり、そして考えが深まり、志も厚くなりました。

一つのことを究め深め続けることで求心力は高まりますが、多くのことを究め深め続けることで遠心力が高まります。地球が自転しながらも円を保ちながら、宇宙で星々と一定の距離を保ちいのちが廻るように私たちもまた求心力と遠心力を合わせていのちを輝かせていくものです。

出会いにもまた、一つことと、多くことがあり、そのバランスを保つ中で新たな使命や役割をいただけるように思います。

昨年も恩師と共に振り返りをして色々とあったことなどを語り合いました。その中で今年のテーマは「種蒔きばかりをするのではなく、実るものをとって種籾をつくる」ということになりました。

私たちは必ず老いていきます。特に人生の中盤以降はその老いを身近に感じていきます。しかし老いの側面として、老いることで私たちは奥行きが出てくるとも言えます。老いていくからこそ、優先するものに絞ることができ、その選択肢が狭ければ狭いほどに実際にはその奥行きの先にある選択肢もまた広がっていくのです。

自分でできることが減ってくるからこそ、同志たちや仲間に託していくものがある。そしてそれが次の時代を担っていくのです。その時には決して実らなかったものも、時を経て時代が変われば実ることになります。

そして目的を狭めれば狭めるほどに明瞭に明確になっていくことがあります。実現しようとすることに対して広げるばかりではなく敢えて徹底的に狭くすることでその奥行きを待つ境地も得られるのかもしれません。

生きるための学問は、心の世界を学ぶことでもあります。心は今、どのような機微を感じるか、そして心はどのように観応し、成長をしているか。はたまた絶望をし、未来を懸け、深い悲しみや喜び、それによって磨かれ、さらに眩い光を放ちます。

私たちの心は、まるで一つの玉のようであり、その玉が光り輝くように生きているだけのようにも感じます。この生もまた、今回限りです。

自分の役割や役目に生き、今年も一期一会の悔いのない一生にしていきたいと思います。

  1. コメント

    「生計・身計・家計・老計・死計」という「人生の五計」がありますが、一度、生死を超え、自分なりの「死生観」をつかみ「死計」を立てないことには、ほんとうの「生計」が立たず、「老計」も楽しめないようです。「ほんとうの生計」とは、「使命に生きる」ということでしょう。それは、私利我欲とは逆の生き方です。「捨てる」「省く」「手放す」ことの真意を知り、最も大切なものの奥行きを味わいたいと思います。

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