正直を磨く

人間は生きていく上でもっとも大切なことは自分に正直でいることです。しかし自分に正直というのは、自分というものが本当の意味で分かることができて正直になることができるということでもあります。

なぜなら己自身が分からないままでは、正直だと思ってもそれは正直ではなく正直風になっているだけだからです。その正直風では、本来の自己一体ではありませんから偽りの正直さで嘘が増えていくからです。

正直さというのは、真実であり本当のことです。その人が生まれてきた意味や、何を使命にしているか、そしてどのようなことを魂が望んでいるかそれが分かる状態が正直ということです。

正直は他には真心や至誠など同じ意味を持つように思います。

つまり、本当の自分で生ききったということでしょう。自分らしさというものは、他と比較していく中で出てくるものではありません。自分自身をやり切ったとき、自分自身のままであるとき、自然体のとき、私の言葉ではかんながらの道を歩んでいるときにこそ顕現するものです。

自分らしくあることは、愉快痛快の面白い物語と人生の醍醐味に出会い続ける人生のことです。そこには成功者とか失敗者とか、またどのジャンルだとか分類とかは関係ありません。自分らしくあることのメリットを一つ上げるとするのなら、それは魅力的な人になるということかもしれません。

魅力的な人、チャーミングな人の周りには面白い人、豊かな人、明るい人、優しい人、数々の人たちが集まってきます。そして魅力的な人は「場」を創造します。その場には、目には観えない徳が集積してきます。まさに自分らしくあることこそが徳を積むことになるのです。

自分に正直に生きることは、子どもたちの憧れる大人に近づくことでもあります。子どもたちの仕事をするからこそ、突き詰めてみたらこうなったのだからさらにここから尖がって正直を磨いていきたいと思います。

  1. コメント

    「正直でない自分」のひとつの姿に、「何かの役割を演じている自分」があります。物分かりの良い上司を演じ、家族思いの父親を演じ、優しい夫を演じるというようなことです。このように役割が主になると、周りの期待には応えているかもしれませんが、本当の自分の生き方と乖離しているため、二人の自分が居て、そこには誰でもない「自分」が存在してしまいます。人や場に合わせる自分をやめ、そういう役割から自分を解放して、まず「自分自身と一体になる」ことが必要でしょう。

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