世界平和の素

最近、アメリカを中心に人種差別のことで世界ではデモが発生しています。この問題は、ずっと続いてきたもので今にはじまったことではありません。なぜこのような差別が発生するのか、改めて他人事ではなく私たち日本人もこのようなことが発生していることに向き合う必要があるように思います。

実は、第一次第二次世界大戦も、そして今度発生するかもしれない第三次世界大戦もその根底と根源にはこの人種差別の問題が関わっているからです。

人類はただ利害関係だけで戦争しているのではありません。そうであれば、利害のところで勝敗が決まりそれで話が収まるものです。それが収まらずに大量虐殺や人権を無視した残虐な行為に発展するのはこの人種差別というものの本質が戦争を過剰にし人間が人間の心を捨ててしまうような乱暴で残虐な存在に仕立てていくからです。

これは私の洞察ですから報道などに書かれることはありませんが、私は悲惨な戦争はほぼすべてこの人間の差別という価値観が巻き起こしていると確信しています。

そもそも差別とは何か、辞書を引くと「 あるものと別のあるものとの間に認められる違い。また、それに従って区別すること。「両者の差別を明らかにする」 取り扱いに差をつけること。特に、他よりも不当に低く取り扱うこと。「性別によって差別しない」「人種差別」」(goo辞書)には記されます。

つまり何かと比べて差をつけること、この差は意図的に優劣をつけてそのものを平等に扱わないことです。さらに、人種差別という言葉はwikipediaにはこう記されます・

「人種差別や民族差別は古くから存在する。古代ギリシア人のバルバロイや中華思想などに見られるように、しばしば自民族中心主義の裏となって表れる。19世紀の西欧諸国では植民地交易を正当化するために人種差別が科学と結びつけられ、社会進化論や優生学を援用した疑似科学に根拠を置くイデオロギーとなった。このような人種主義や植民地主義に基づき先住民族の迫害や、アフリカの黒人を対象とした奴隷貿易・奴隷制が実施された。近代以降は戦争や民族主義の台頭、独立運動への抑圧などによって様々な迫害や差別が表面化した。1930年代のドイツに登場したナチスはユダヤ人、ロマなどの差別・迫害を正当化する極端な人種差別政策を実施した(ナチズム、ホロコースト)。アメリカ合衆国や南アフリカに見られた有色人種への差別政策は徐々に解消されていったが、近年は民族紛争、テロ、難民・移民の増加を背景とした特定の民族・宗教への排斥を正当化しようとする極右思想や排外主義が見られる。」

つまり特定の存在以外は、生き物とも思わないようになっていく。つまり物が単なるモノ化していくように存在そのものを心で扱わなくなっていくのに似ています。消費う一つの材料のようにゴミのように扱い、そのものの歴史や文化やそれまでのプロセスを排除してしまうのです。

不思議なことですが、元は同じ人間からはじまりそれが世界を旅していく過程で白人や黒人、黄色人と肌の色が変わっていきました。もともとは同じ人間であったものが、今では肌の色の違い、少数民族かどうかで徹底的に差別し合っています。

こんなことがなぜ起きるのか、そしてそれが発展して悲惨な戦争や略奪、奴隷など同じ人間とは思えないように不当な扱いをしていきます。幼いころから、教育により刷り込まれ、偏見を持たされ、その上で不当に扱ってもいいという常識を練りこんでいく。

こんなことがひとたびはじまれば、同じ人間であるのに同じ人間に扱わないという人間が出てくるのは自明の理です。そもそもいのちはすべて対等で平等であり、私たちは異文化理解を含め、共感も共生もすべてそこから起点に広がるものです。その起点が消えてしまえばどうなるのか、独裁的に独断的に権力が横行するのです。

権力によって何かを統一するのに、この差別は常にセットで存在します。差別をなくそうというのは、権力をなくそうとすることと同じですからなくならないのです。

世界は今、大きな岐路に向き合っています。この岐路が果たして未来をどうかえるのか、今、私たちの世代は試されています。改めて私たちも子どもの会社ですから、この問題を素通りする気もありません。

人間の心に安心と安寧をあたえ、世界の平和が末永く続いていくように差別を取り払うために具体的な形を世の中に示していきたいと思います。

  1. コメント

    「人権問題」というものは、本来「法律で決めるもの」ではなく、「人間とは何か」という根本的、本質的な認識の問題でしょう。しかしバラバラな宗教観や経済政策のための口実によって随分歪められています。特に注意すべきは、自分たちの言動の「正当化」です。自分たちの政策を正当化するために、勝手な理屈を考え出し、勝手な理論をつくるということを本質的に見直す必要があるでしょう。世界基準の「徳目」が欲しいところです。

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