癖と改革

人は生き方の癖があるように働き方の癖というものもあります。今までどのように働いてきたかが働き方の癖になります。その働き方次第では、一流と呼ばれる人になっていったり、いつまでもうだつが上がらないような人になっていたりします。この生き方や働き方の改革とは、今までの癖を治すということだと私は感じています。

つまり今までの癖を改善し、新しい習慣を身に着けること。今まで変われなかったことを、改めて変えるというのは大きな覚悟と決断と実践が必要でまさにこれは改革だと私は思います。

例えば、今まで派遣で働いた人が正社員になるというのも改革が必要です。働き方の癖がありますから、今までと文化が異なります。特に向き不向きもありますから、自分に向いていることをやっていけば自分のあった生き癖、働き癖は手に入るのですがそれがあるとき、合わなくなったとき選択を迫られるのです。

今までの生き方、働き方を見つめてこのままでいくのか、それとも変えて新しくなるのかを決める必要が出てきます。万物は生々流転し発展を続けますから、人間もまたその万物の一つですから常に変化しながら発展を続けます。昨日までの状況とは異なるのだから新しい状況を見据えて改革を連続させていく必要があります。

その時、人は自分の癖を見つめて観直してみるといいように思います。

だいたい私もそうですが、今までの癖に気づくのは今までと違うことをやることになったり新しいことに取り組むとき、またペースが乱されたり、不安になったりするときに発見するものです。

なぜこのやり方じゃないといけなかったのだろうかと、見つめ直してみるとそんなにたいしたことではなかったことに固執したりする自分に気づくものです。思い切ってその癖を改めて別の習慣を持ってみようと繰り返し挑戦し実践をしているうちにかつての癖が修正されて新たな癖を持ち始めます。

つまりそれで生き方や働き方の癖が変わるのです。他にも突き詰めていけば、心の癖であったり、感情の癖であったり、言葉の癖や態度の癖、あらゆる癖があることに気づきます。

例えば粗雑な癖がある人は、丁寧に心を籠めるために何か文化的な習い事をしたり、その道具に触れ続けて慣れてきたころには習慣を獲得します。私も日ごろから、日本文化の道具や室礼など、様々な実践を積み重ねていくことで習慣が変わっていきました。

また話を聴くということができない人やせっかちで思い込みの強い人は、敢えて聴く場をつくり聴く人に換えていけば生き方も働き方も、素直に聴いてからという習慣が身についてきます。

改革というものは須らくそういうもので、習慣にしていくために小さな努力や実践を積み重ねていくことしかないように思うのです。そしてもう一つここで大切なのは、環境を観直してみることです。今の習慣は環境や場がそれをしやすいようにつくられたものです。それを一度、手放してみることで自分の過去の習慣や癖を発見するのです。

引っ越しをしたり、移転をしたりと、今までの環境を手放してみれば自分の過去の癖をブラッシュアップすることもできます。時代の変化の中で、如何に捨てていくか、手放して新しいものを掴んでいくかはアフターコロナの世の中を渡り歩くためにも大切な素養になると思います。

引き続き、子どもたちの憧れるような働き方や生き方を楽しんでいきたいと思います。

  1. コメント

    「環境」が変わると、「自分の癖」が炙り出されます。しかし、根深い習慣になっているものを変えるのは容易なことではありません。その背景には「価値観」や「思想」がありますから、部分的に変えようとしても、すぐに引き戻されてしまうでしょう。そういう意味では、「文化」を変え、「生き方」から大転換しなければなりません。これは「組織」においても言えるでしょう。まずは、「炙り出された自分(たち)の癖」というものとしっかり向き合いたいと思います。

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