私たちは今まで生き残ってきたことがもっとも智慧があるものです。
最近発明したものが凄いと思っていますが、歴史が篩にかけたものが本来の本物です。
確かに今の科学力は目新しく凄いように感じますが、 作ってはすぐに消えていくようなものが本当に新しいのかどうかは疑問です。
例えば発酵技術などもそうですが、最近では簡単に発酵するような菌が開発されたりしています。パン作りでもそうですが、イーストなどを使えばすぐにパンが膨らみますが本来のパンの発酵とは技術も性質も異なります。
それを最先端だとして、機械や道具を用いてすぐに食べれるパンを作りますが本当にそれが最先端技術であるのかと感じるのです。
最先端技術というものは、本物の技術ですから普遍の技術です。
それは何百年も何千年も変わらないものであろうと私は思います。しかし実際は、目新しいものが最先端だと刷り込まれ、改良したものばかりを最先端だとそれぞれが論じているうちに何が本物であったのかも分からなくなっているのかもしれません。
以前、300年のぬか漬けを伝承する方から「今のぬか漬けで出ている本は何かと付け足して加工して目新しくしたものばかり、本来のものは先人たちがやったとおりにしていくことが何よりも本物です」とお聴きした話を思い出しました。
細部に枝分かれしたものを本物だといい、本来の地味な根元のことを忘れてしまうというのは派手さに囚われ中身を御座なりにするのに似ています。
私たちは先人たちの智慧を敬い、かつての伝統や伝承を忘れることで退化していくのかもしれません。余計なことを増やすという考え方は、資本を増やしていくのには都合がいいのかもしれませんが余計であればあるほどに本来の姿から遠ざかるというのは果たして発展しているのかということに疑問を思います。
私たちは真に発展するのなら、先人たちの智慧を今の時代に置き換えて継承していくことでしょう。温故知新していくことは、先人たちの智慧をそのままに伝承することのように思います。如何に時代時代に転じて本物を維持するのかに最先端技術を学ぶ私たちの姿勢が問われます。
シンプルなもの、本物であることにこだわっていきたいと思います。
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最新技術がTVなどで取り上げられると、実際に見てみたいと興味に駆られますがその背景には、昔からの技術があってのものなのだと感じています。スカイツリーも法隆寺の技術が活かされていることを知ると、本で何かを調べるにしても何にしても原点に当たること、技術がどう変遷しているかを見ていくことの大切さを感じます。
昔からある智慧を調べて終わりではなく今に活かしていけるよう、実践して掴んで行きたいともいます。【●】
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「便利になる」のはいいことだという発想がどこかにあって、手間暇かける「本物」が古臭いものだと錯覚していることが多いようです。スピーディに、誰にでも手軽にできたり、簡単に手に入ったりすることが、ほんとうに豊かさにつながっているかどうか、見直す必要があります。知識で便利になっても、智慧の生きていない世界には、心がなく、どこかにごまかしがあります。日頃から、もっと「本物」に接して、「本物」と「似て非なるもの」の見極めがきちんとできるようでありたいと思います。
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身のまわりを見渡してみても圧倒的に新しい技術ばかりで本物を探し求めようとしても既に何が本物かがわからないと自分自身で感じます。目・耳ばかりで生きていると歴史に耐えた技術の凄みはわからないのかもしれません。世の中としてみても歴史から学んだり先祖を敬うこと等が疎かになってきているのは、過去から何を受け継ぐのかがわからなくなっているからでしょうか。本物を知り、繋いでいく人でありたいと思います。
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かんなと電気かんなの話から、最先端とは、人間の育ちを支えるものであり、人間の代わりにするものではないのではないかと感じ始めています。そもそもの本質に近づくための知恵であり、ツールではないかと感じます。生きることが簡単になった今だからこそ、いつも選択肢を間違えないようにして行きたいと思います。