相互扶助の精神

昔のことを調べていると、如何に昔は皆が一緒になって協力していたかが分かります。

稲作もそうですが一人だけでお米を育てていたわけではありません。多くの人達と協力しては手伝いをしながら収穫をしお祭りをし人手を合わせて助けあってきました。他にも一人だけで責任を持つような仕事の仕方はしておらず、皆で力を結び合わせて協力していくことで生き残ってきているともいえます。

そもそも人類が生き残ってきた智慧の一つが、相互扶助という仕組みです。

御互いが大変な時に御互いに助け合い、御互いが物々交換をし、御互いを大事につながってきたことで御互い様の御蔭様で生き延びてきたのです。飢饉や飢餓のときも、自分の食べ物を相手に譲り、また逆の立場になったときは食べ物を分けてもらい、御互いに支え合って生き延びきてきました。

何時そんなときが来るかもしれないからと、常日頃からみんなの力になっておこう、徳を積み重ねていこうと精進してきたように思うのです。それが明治以降くらいから西洋の考え方が入ってきては間違った個人主義が蔓延し、今のような働き方も今のようなお金を頼るような生活スタイルも今までの自分たちがやってきたことと異なる方へと傾いてきたように思います。

もしも飢饉がきたらどうするかということなど平和な時代は考えなくなっていくのかもしれません。本来、私たちは一人でできる仕事などありません。相手があってできることですし、社會があって成り立つものです。それを私物化して自分のものにしようとしても、それはできるはずがないのです。

だからこそ相手と社會と一緒に取り組んでいこう、敢えてみんなと一緒に取り組んでいこうとするのが人間の智慧であり、また誰かのために生きられるという幸せと歓び、そして共に困難を乗り越えていこうとする励ましと勇気になるように思います。

皆様の御蔭でここまで来れましたや、皆様の御蔭でこんなことができましたというのは、いつも一緒に働いてくれていたと自分自身が実感するような意識があるということなのでしょう。まるで機械の歯車のように部品としてその責任だけを果たし、その部品が壊れれば交換されるというようでは安心して一生懸けて取り組んでいくことはできません。

どんなことでも協力し合えば、徳性に合わせてその時々で御役に立てることがあると信じているのが仲間であり組織であると思います。組織を創る一員か、組織を壊す一員かはその人の意識にあるように思います。

常に一員意識をもって私物化を戒め、一員意識で相互扶助の精神を大切にしていきたいと思います。

  1. コメント

    自分らしさも、どのように使うかで、凶器になると感じています。
    場を楽しくさせていことも、出会えてよかったと言っていただくことも、自分の為にそうしたいのか、それとも誰かのためにそうしたいのか。動機の軸足が自分にあっては、それではやはりだめなのだと感じます。もっと、一体となった価値観や視野で信じあう境地を味わい、歩んでいきたいと思います。

  2. コメント

    「速く行きたければ、一人で行きなさい。遠くまで行きたければ、一緒に行きなさい」という言葉があります。ときには、スピードも大事ですが、一人では、越えられない限界もたくさんあります。逆に、助け合えば、多少時間はかかっても、限界を超える智慧も生まれ、予期せぬ事態にも対応することができます。また、一人で焦っているときは、周りを信じていないということも多いようです。刹那的な人生観では「信」も「徳」も生まれません。「相互扶助の精神」を養うには、個々人が「徳を積む」ような人生姿勢が必要です。そのためにも、もっと大きく建設的な人生観を持つ必要があるのではないでしょうか。

  3. コメント

    「飢饉」というとテストに出るかどうかで覚えた記憶があるくらいで本気で備えたことはありません。震災の時、スーパーの棚には何もなく自動販売機で水を多く購入した記憶がありますが、本当に食べることで困ったことは一度もありません。いい時代になったと言えばそうなのかもしれませんが、今何かが起きたとしたらひとたまりもありません。緊急時用の食料や水は数日分は用意していますが、隣の人が誰かも知らないと生き残りを掛けたようなサバイバルのようになってしまいます。一人にならないよう警告出ている今、そのことに気がつきたいと思います。【●】

  4. コメント

    日常の生活の中で、皆で協力しなければ出来ないことは何だろうかと考えても、あまり思い浮かばないように思えましたが、それは食糧の調達一つをとっても「一人で出来てしまう」という錯覚を昔よりも感じやすくなっているからなのかもしれないと感じます。豊かなようで豊かでない現実をしっかりと捉えていきたいと思います。

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