多生の縁~志事と仕合せ~

自他一体の話をブログでも書いてきました。これは自分と人とを分けないということですが、もっと卑近なところでどのように訓練をするのかを書いてみようと思います。

そもそも自他一体である必要がある理由は、他人ごとにすることで様々な問題が起きるからです。

仕事でもなんでもそうですが自分の事とは思わず他人ごととして相談にのってもその人が助かるアドバイスができません。それはその問題の本質を自分のものとして捉えていないからです。つまりは自分のものではない仕事は、そのまま仕事ではないということです。

先日テレビ番組でカラオケで得点を競うものの中で、ある人の歌が他人の歌を自分のものにしていたという解説がありました。あれと同じく、誰かの歌をただ歌っているだけでは心に響くものはありません。誰かの歌を自分の歌にしてはじめて周りにその歌の本質を自分なりに伝え感動させることができるのです。

言葉も同じです。

他人の言葉をいくらなぞって象ってそのまま伝えてみてもそれは相手には響きません。他人の言葉で感動しても、その言葉を自分のものとしてはじめて相手はその言葉に感動するのです。

これは先ほど自他一体に近い話で、仕事は全てにおいて「自分のもの」にしていく必要があります。いくら頭で理解してもそれが「他人のもの」になったままでは仕事にはならないからです。

先ほどの歌の事例ならば納得するまで徹底して共感して歌いこんでその歌の本質をもとの歌者の心を掴み納得するなどの過程があるのです。仕事でも同じく、本来の仕事の意味や定義を納得するまでやり込んでいないと決して本来の仕事にはならないのです。

如何にどんな出来事も仕事も「自分のもの」として捉えるか、それが分けないということなのです。これは自分には関係ないからと分けると、その分けたところが他人のものになっていくところです。

どんな出来事も自分には必要な尊いご縁しか発生しないのが人生です。いくら関係ないとめんどくさがっても事実、そのことが自分の人生に多大な影響を与えているのはすぐに時間が経てば自明します。だからこそ、他人ごととは思わずすべてを自分事にし、目の前の人の問題はまるで自分の問題そのものだと親身に親切になりきってこそ自他一体になったと言えると思います。

心が成熟して技術も精神も練り上がっていくと、人は次第に自他一体になっていきます。つまりはご縁の活かし方に長けてくるということです。人はご縁によって教え教えられ成長しますから一期一会の御縁をどれだけ大切にしているかが何よりも重要なのです。

全ての御縁を「自分のもの」にしていくのが、すべての御縁を「他生(多生)の縁」にしていくことです。如何に日々の生活の中で絆を大切に生きていくかは、全てのことを志事だと真摯に訪れた機会を最大限活かすことです。

自分の都合で物事を捉えずに、常にゼロベースで意味を感じ取り他人の仕合せを自分に仕合せにして歩んでいきたいと思います。

  1. コメント

    「誰かが冷たい水に落ちるのを見てしまうと、自分が落ちた場合と同じ反応が自分の体に起きる」というようないのちの連携を「同期」というそうです。そして、気持ちも身体も「同期」しているときには、会話は無内容になり「おうむ返し」のようになってしまうといわれます。他人事でなくなるから、問答が不要になるのでしょう。これが「慈悲の原理」ではないかという人もいます。一つひとつのご縁に、どれくらい同期できているのか?!会話の必要性と内容からも一体感を味わってみたいと思います。

  2. コメント

    カバーアルバムが最近よく出ていますが、もとの原曲が魅力的であるのはもちろんのこと、歌い手によってまた別の魅力を引き出され聞き入ってしまいます。「自分にしか出来ないこと」と内省項目にありますがそれは「自分だけにしかできないこと」とは意味が違うのだと感じています。「自分だけ」と欲張ってしまうと独りよがりになりますが、どう自分自身を発揮していくかを考えると同じ歌でもまるで違うものに感じます。自分のものにしようと焦る気持ちも芽生えますが、何が大事か立ち止まって繰り返していきたいと思います。【●】

  3. コメント

    まだまだ自分の中で選り好みをしているというか、力の入れ具合やバランスを自分都合にしてしまっていることを感じます。傲慢さを省き自他共に成長出来る関係性を築いていきたいと思います。

  4. コメント

    澁谷さんと同行し、お客様に対する関わる姿勢から多くの学びを得ました。言い訳をせず、誠実に、そして迅速に、と今までの仕事からも学ばせて頂いていましたが、その根元にお客様の課題、困っていることに対する共感が他人ごとではない姿に肌で感じる違いを感じました。きっと思った以上に困っているだろう、、、という気持ちを忘れずにいたいと思います。

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