命のふるさと

ドイツ研修も4日目を迎えた。

冷たい小雨がしとしとと降っていて、夕方の雨上がりの空気はとても心地好く旅の渇きを潤してくれました。

ゆったりと穏やかに冬を迎えていくこの感じに、ドイツの気候の生んだ生命の様子を実感することができます。

人間を含む様々な命は、この森羅万象の地域風土によってそれぞれに根付いた命が育み順応していくのだと思います。

その風土が生んだ見事に仕上がっているその地域の文化に触れることは、自分の立っている場所や歩んできた文化を改めて感じる機会にもなります。

その人々がどのような「生き方」をしてきたか、世界は広いのを知るのです。
もう一つは、「ふるさと」というものを知ることだと思います。

このふるさとは自分が生まれ育ってきた身近な環境との繫がり、どこの自然の傍であることなのだと思います。風土と心が一体になったこの今にこそ自分が本当に帰る場所、そのふるさとがある気がします。

遠く離れた異国にいても心にふるさとがあると思えるから自分というアイデンティティを持っていられるのだとも思います。繋がっている場所こそが、安全基地であり安心基地であるのはそこに自然の一部から切り離されていない絶対的な安楽が存在しているからだとも思います。

そう思えば自分を形成してくれた偉大な存在に心から感謝の念が湧いてきます。

繫がりを広げていく中で自分をもっともっと発展させ繁栄させつつ天の命じるままに育てていきたいと思えるということ、その真の自立というものの素晴らしさ、私たちが学んでいる「保育」を通じて感じ、一瞬一瞬を大切に生き切ることの人生の意義や意味を感じています。

人はだれしも自分で生きていく中で、周囲と繋がり合う中で、時間と空間の境界に命を生み出していくのであろうとも私は感じます。

ふるさとを思えば、いつも心の中に自然と繋がる命があるのです。
自然が私たちを見守っていることを今も味わっています。

最後に、ドイツと日本との共通のものもたくさん発見し味わっています。

どんなに言葉が異なっていても、見た目が異なっていても、相手を思いやるという心には国境はありません。

愛や、友情、感謝や感動、信頼や勇気など、人間として普遍の倫理道徳は私たちが偉大と感じる自然の中にあるものです。このドイツでも、たくさんの人たちの生活を通じて思いやりを味わえます。

自然の一部である私たちに本来国境などは必要ありません。

私たちのふるさとは地球です。

この地球の中で、真の平等や真の平和に貢献していけるよう子どもを見守る保育を広げていきたいと思います。

  1. コメント

    国や文化、宗教と異なり世界にはたくさんの人がいますが、途中や部分からではなくもともとのルーツから考えると、命の故郷は自然に還るように思います。自分自身の身近なところに心の拠り所があれば、そこが安全基地になるのだと思います。安全基地から外に出て、幅を利かせる事ができるよう子どもたちが安心を感じられる環境を用意していかなければと思います。

  2. コメント

    何かを分けて考えるという事が私たちの自然な思いや行動を邪魔しているという事を感じます。国境にしてもそうですが人が作り出したものであり、自然からすればあってないようなものだと思います。しかし、それがあるせいで人は人を妬み、奪い合い、傷つけあっているのが現状であり、とてもさみしい事だと思います。「私たちのふるさとは地球です」という言葉とても心に響きました。自分自身を見れば地球の中の本当にほんの一部かも知れませんが、それ以上に偉大なものに見守られているように感じます。感謝しかありません。

  3. コメント

    社長の提起を受けて、今日は『命のふるさと』について考察してみたいと思います。私が英国に留学していたときの、ある不思議な体験についてお話しましょう。
    私は子どもの頃から西洋風の建物、洋館が好きでした。それで英国滞在中も、古いビクトリア朝の大きな邸宅の2階を借りて住んでいました。野見山社長留学の際も、そこで一緒に暮らしたのです。
    さて、英国にはクラシック音楽ばかり一日中流している『クラシックFM』という放送があり、私は好んでいつもそれを聴いていました。
    ある朝、世界のフォークソングという番組を聴いていると、アナウンサーが『今日は世界のカウボーイソング特集です』と紹介しました。アメリカの西部劇をすぐ連想してしまった私は、『興味ないな…』と。
    しかし『最初の曲は日本のカウボーイソングです』と言うではありませんか!私は『そんなバカな、間違ってるきっと…』と思ったところに流れたのが『南部牛追い歌』です。
    https://www.youtube.com/watch?v=FwYcX5Uyk1M
    『聴いたことあるけど、これカウボーイソングじゃないだろう?』と頭で考えかけたとき、全身に『とりはだが立つ』ような衝撃を感じました。
    今までこのような日本の民謡に、何の感動も覚えたことのなかった自分でしたが、故郷を何千キロも離れ、日本的な物のない生活をしていたせいか、自分の血が自動的に反応して沸騰したかのように、ジ〜ンと沸き返っているのです。
    やはり、自分が生まれ育った国の『唄』というのは、自分の体の中のDNA(遺伝子)に深く深く関わっているのだなということを実感する、良い体験となりました。
    そしてよく考えてみると、『牛追い』はカウボーイですから、カウボーイソングであることに間違いはなかったと、後から気づいたのです。笑

  4. コメント

    人間のルーツ、または地球に住む生命のルーツをたどれば、皆同じであることに気付かされますが、
    普段は気付くと違いばかりを探していたり、比べていることが多いように思います。
    本質的に同じ部分は何なのかという事を見始めると、見ている世界が変わってくるのかと思いました。
    今自分が見ている世界は今の自分の価値観から見ている世界でしかないのだという事に気付かされます。
    世界共通の、地球共通の物差しを見つけていきたいと思います。

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