開発する悦び

毎年この時期に、見守るほいくソフトをバージョンアップしている。

子どものためにと一念発起して、開発してからはや4年。
今では多くの人たちに利用していただくようになった。

開発の頃のことを思うと懐かしい。

今まで向き合わなかった保育と向き合い、世の中と向き合い、過去と向き合い、未来と向き合い、そして自分と向き合っていた。

分からないことばかりで、本当にこれでいいのか?本当にこのまま進めていいのか?と自問自答ばかりしながら現場の話に耳を傾けていた日々だった。

有難いことに真剣さが本気さが魂に宿ったのか身近に本当に素晴らしい出会いに見守られ、感動の日々に助けられその葛藤を乗り越える勇気になっていった。

そして一つのことを扱って一つの道で一つを探求していくことで時間の経過とともに周囲のことが少しだけ見渡せるようになっていった。

そのうちに、園が抱える全ての問題が身体に自然に入ってくるようになってきた。

それを解決していきたい、一緒に向き合って生きたいと思うようになり気がつくと今では私の「ライフワーク」そのものになってしまっている。

このソフトとの出会いが、道につながり、このソフトをずっと見守り育てていくことで一つの道が深く広がり高まって多くの出会いや邂逅と感動を与え続けてくれる。

まだまだできることがたくさんあるし、補える部分は追求できる。
この今も、開発者としての責任とその理念が沸々と湧き続けている。

開発者にとって、開発したものを理解してくれて使ってもらうことほど嬉しいことはない。

そしてお金ではなく子どものために苦心して開発したことを使ってもらう人たちに認められたときほど嬉しいことはない。

どれだけ本気で子どもと向き合い、道具を活かしてもらいたいと願ったか。

その願いが報われた瞬間なのだ。

そして、道具が人間にしかできないことを補い、それで子どものことを思いやれて自立の援助ができているのならばその方々に感謝をせずにはおられない。

これからも私は自分をしっかりと律し、開発の手は一切緩めず、怠らず、世界の子ども達の担任を目指す保育者を縁の下から支えられるようにより理念を醸成していきたい。

そして、師匠のよく言う「不易と流行」をよく見定める観る目を育て本質的に今の時代にあわせた子どもにとって過不足ないちょうど良い道具をこれからも開発していこうと誓う。

まもなく、見守るほいくソフトはバージョン4になる。