百姓の智慧

最近、降雨が強くなり世界中で洪水などの被害が増えています。これは地球上の氷が融けていることに原因があることがわかります。地球上の氷が全部融けた場合はどうなるのか、今まで何十億年とかけてできた永久凍土が融けているのですから人類にとってまだ未曽有の未来であることは間違いありません。

しかし自然の摂理ですからこれはある程度の想像力によって、補うことができるようにも思います。例えば、地球は水の惑星と呼ばれるように地表の大部分が海でおおわれているます。水が多いいイメージがありますが、実際には海水の量は質量にして、地球全体の約0.023%しかありません。そしてその海水は地球の表面に浮いている水で、いわばため池のようなものです。

実際には、地球の内部には質量にしてその海水の5000倍近い量の水が存在しているといいます。つまり、外に出ている海水だけでも多く感じますが実際には地中に存在している水の方が圧倒的に多いのです。

そしてこの水は、宇宙に出ていくことはありませんから地球の中を循環し続けていることになります。水の量が多いとか減っているおか感じますが、実際にはその喪失量は変わっていません。問題はその水の循環の仕方が変わってくる、つまり激しさや勢いなど人類の生活に及ぼす影響があるということです。

例えば、密閉しているお風呂の中で水をためお風呂を沸かすとします。風呂桶の水は減っていきますがそれは空中に移動しただけで水分量は変わっていません。その水はどうなるか、空気中で冷やされてしずくになって落ちてきます。その水分量がどのくらいかで、その循環の往来は変わっていきます。つまり流れる水の量で速度や大きさもかわり、部屋全体に与える影響が変わっていきます。これはあくまで部屋の場合ですが、実際に地球はその水の循環の中であらゆる生命を養います。

地球は絶妙に水が動くことで、気候を調整しています。私たち人類は火を扱う技術を手に入れ偉大な発展を遂げましたが、同時に水を調整する技術を得たことで同様に偉大な繁栄をしていきました。

水を調整することで、作物を育て、いのちを養うのです。日本は温帯湿潤気候で水が豊富ですが島国ですからその水がすぐに海に流れてしまいます。それを水田をたくさんつくり、稲作をし水を貯めこんで国土を水で潤します。その潤した水によって、様々な瑞々しいいのちを育むのです。そうやって私たちは水に守られる中で、暮らしを守り、文化や歴史、文明を発達させていきました。

しかしこの水の循環が、ここにきて大きな変化をはじめています、氷が融ければその分の水は海水と空気中の水分量を著しく増やします。海水であれば、海流の循環が変わってしまいます。より海底も激しく変動し、生き物たちも今までのような暮らしから変化を余儀なくされていきます。そして地上も同様に、水が気候を激しく変動させていきます。人体であれば、水が増えれば体は浮腫みます。浮腫むのは水が循環しにくくなるからです。冷えはそこからくるとも言われます。

地球も人体も別物のようで自然は一つの摂理ですから。地球の循環が失われれば冷えがきます。つまりそれは氷河期です。氷河期にならないようにするには、地球の循環がスムーズになり健康を維持している状態、つまりは中庸である必要があります。

私たちが感じる温度や気候、様々な自然現象から地球の状態を診断してそこに合わせて自分たちも地球の一部ですから暮らしを変化させて順応することでいのちを伸ばしていくことができます。

今、地球は大きな変動期に入っています。経済活動に勤しんで資源競争を繰り返していますが、本末転倒にならないように謙虚に地球の状態をみんな学び、自分たちがどうあるべきかを話し合う必要を感じます。

小さな変化を見逃さず、農を学び、農に戒め、日本の智慧の結晶を伝承してきた百姓を続けていきたいと思います。

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