脈々と流れる自分のお役目

私達の先祖たちがどのような道を辿ってきて今があるのかは古事記の中の物語や、神話、そしてかつての遺跡から考察することができます。

何かの出来事があったとき、どのような考え方をしたか、どのような思想をもって取り組んできたかを知るのです。今の私たちが生き残っているというということは、その思想が根底に備わっていてそれがあるから私たちが今も発展を継続していくことができるのです。

その思想とは何かと言えば、私たちが日本人らしいと世界で評価されているところのようにも思うのです。それは日本人の道徳観や、民族観、文化観からも顕われています。

例えば、譲り合いの姿でいえば困っている人がいたら放っておけず無条件でその人たちの世話をしたという話は地域のいたるところに残っています。また、子どもっぽい民族で真似好き、地道に正直に何でも受け容れて取り込んでいくことも特徴ですし、おもてなしや礼儀作法、風情や情緒を自然に愛でる精神なども持っています。

こういうひとつひとつの中に、私たちが先祖代々受け継いできている根本の思想があるのです。そしてこれを日本らしさとも言うのでしょう。

私達の先祖たちは、権力で人を使うのではなく思いやりで皆と暮らしていました。それは神話や遺跡、文化からも垣間見れます。震災の時や、有事の時、日本人が慎ましく謙虚に譲り合い助け合う姿は常に世界では高く評価されるのも日本人らしさを見るからです。

私達にとって当たり前と思うことの中に、私たちのルーツがあります。この当たり前をどれだけ今の時代に発掘して還元するかも、子どもたちの仕事をする今を生きる私たちの大切なお役目であろうと思います。

自らを正しく伝承していくというものの大切さは、その時代時代を生きた人たちの使命です。間を取り持つことではじめて人は人になるからです。自分のことばかり考えて自己中心的な人が増えてきて、自分のことばかりに時間を使おうとする利己的な社会になってきましたが、善く周りを見渡せばちゃんと日本人らしい実践を怠らずに流されずに自分を持っている人たちがこの時代を根底で支えています。

恩恵に感謝し、その恩義に報いるためにも先祖から代々守り続けてきた真善美を継承し、その実践を自らの日々を通してカタチに換え、いつまでも子どもたちに誇りと自信を譲って生きたいと思います。

日本人として当たり前のことをもっと大きく深く引き出して、脈々と流れる自分のお役目を全うし、未来や世界の御役に立つために学び直していこうと思います。