傾聴の本質

傾聴ということについては、一円対話をはじめ色々なところで実践していますがこれは何よりも重要な学びの姿勢であることを実感することばかりです。

あのPF・ドラッガーも「リーダーにとって最も重要な資質は「聴くこと」だと私は考えます。常にインプットし続け、学び続け、成長し続けるためにも、聴くことが重要なのです。」とあります。

素直さを思う時、他人の話を素直に聴ける人を素直であると思います。どうしても自分の概念で歪めて聞いても聴かず、聞いているようで聴こえないのでは、改善しようがないからです。

エグゼクティブ・コーチの第一人者として知られる、ゴールドスミス氏の記事がハーバードビジネスレビューの3月号に紹介されていました。

そこには、「自分の周りにいるすべての人から学びなさい」と常にアドバイスをするそうです。

そして自己変革に成功するか否かを左右する要因が三つあることを述べていますので紹介します。

「その一つが勇気です。自分の顔を鏡で見るように自分と真剣に対峙し、ありのままの自分の姿を見つめる勇気がなければなりません。」

「二つ目は謙虚さです。自分は勘性されたリーダーではなく、まだまだ改善の余地があるということを認める謙虚さがなければなりません。」

「そして三つ目が自己を律するというファクターになります。自分を常に改善し続けていくためには、自己規律というものが不可欠です。」

これらの三つについても、傾聴できなければできないものです。常に自分と正対し、自問自答しながらひとつひとつを改善していく精進があります。弛みない努力と怠らない実践の集積よってはじめてリーダーは自己研鑽を続けていくことができるというもの、言い換えれば話を聴ける状態を維持しているということであろうと思います。

最後に、このゴールドスミス氏はこう締めくくります。

「私は自分の身の周りにいる人を大切にしなさいと言い続けています。私たちの悪い癖が職場に出ていたら、それは間違いなく家庭でも出ているものです。職場で人の話を聴いていなければ、家でも家族の話を聴いていない。職場でよくなるということと同様に、家庭でもよくなることが重要です。企業にとって顧客が重要なのは身近な人だからです。家庭で善くなることができれば、その効果はきっと職場にも及ぶことでしょう。」

身近な人を大切にすることができる人こそが、学び続ける人なのかもしれません。知っているから分かっているからと怠慢にならず、どんなことからも誰からも学び続けていくために傾聴の実践を楽しんでいきたいと思います。