猶興の士

先日GTサミットでは色々な気付きがあった。

特に、全国各地の理想を求めて知行合一して歩んでいる人たちの発する言葉や各語には自然に共有できるものがある。

そしてそういう問題意識や危機感、また自分の中にあるものに反り返り内省を続けている方々は、わかった気にならずに理念を軸に自分のブレを修正していくのだと思う。

こういう時代だからこそ、周囲や他人、外のせいにばかりしてエネルギーを放出するのではなく、浩然の気を養い、粛々と静かに道を造り上げていくことは特に今のリーダーには必要な風格だと思う。

リーダーの本質は、調和であり、出来事や人々の中にあり、常に何を自分がやればいいのかが分かっていて、それを自然に決断できて順応して共生の場を創り上げる力をもっていることだと思う。

そしてそれは、自分らしさであり、その場に応じて変化し続ける力でもあるのだと思う。それは常に自分の中から出てくる声に耳を傾けて周囲と調和していくようなものだと私は思う。

「孟子曰く、文王を待ちて而る後に興る者は、凡民なり。夫の豪傑の士の如きは、文王なしと雖も猶興る」

 孟子は言う、「周の文王のような聖王の指導を待って初めて感奮興起するのは、凡庸な人民である。かの人並みはずれた豪傑の士などは、文王の指導と教化がなくても、自ら独力で興起するものである」

本当の優れた人間は、誰かがいるいないに関わらず、なお興るということ。

すべてのものを受容でき、寛容さで今を大事に今を創り上げて道を起こしていくという人が多く現れることが時を創ることになり、未来そのものになっていくのだと思う。

業界がどうだの、誰が悪いだの、制度がどうなど、そういうことばかりをして本当に自分の思う自分らしい自分のことを蔑にして、そういう自分の寛容さを磨かないでどうやってリーダーシップを発揮していけるのかと思う。

まずは自分の中にあるものをよく鑑みて、自分らしく自分にしかできないことで調和するまで今を大事にしていけばいいのだと思う。

長期的にも短期的にもブレナイことが本質で、外側のいろいろな変化には柔和にあわせていけばそれで子どものためになっていくような気もする。

私自身も未熟で、まだ全然その自分のありようが観えてもいないでいる。あるがままにあるにはわかった気にもならない今があるけれど、その機会に恵まれていることに感謝して自ら反り返って物事に処していきたいと願う。

多くの人たちがそれぞれの道で子どもたちの未来を保障してあげる世界にしていけるように心から祈り実践していくことを誓う。