一円組織

組織というものはいろいろな形があります。以前はピラミッド型組織が流行し、官僚のように上下の階級がはっきりしたものを使われていました。そこからフラット型組織というものが流行し、トップ一人にあとは全部横並びというものに変わっていきました。その両方は、どちらにしても上か下かという概念に縛られます。

私は一円対話というものを実践しつつ、一円組織というものを考えています。これは新しい経営の在り方のモデルに挑戦することであり、持ち味を活かし全体が一つの生命体のように機能する組織のことです。

しかしそれを実現するには、今の社会の常識に縛られないこととそこで一緒に働く人たちが過去の刷り込みに負けない変化が必要になります。

一円組織というものは、上下がありません。そこにあるのは、それぞれの持ち味を活かしあい豊かに一緒に働く仲間があるということです。実際の組織では上下がありますから、指示命令の上下運動で物事は進みます。しかし一円組織においては上下がありませんから、いつもオープンに積極的で自発的なコミュニケーションを自ら取り合って「助け合う」必要があります。

かつて日本では、大事な決定を考えるのに火を囲み車座になって語り合いながら合議していました。そこでは階級などが存在せず、一座としてみんなで自分たちの今について心を開き語り合いました。それは囲炉裏の文化として引き継がれ、皆で丸くなって助け合い働くということでお互いの意思疎通だけではなく相互理解、また談笑のうちに本心をさらけ出し周囲との信頼関係を築いて物事に取り組みました。

そこには結果責任がどうだと、分担だどうなのではなく、豊かに一緒に働ける歓びや仕合せや感謝、もしくは愛を分かち合う場がありました。まるで家の中で一緒に手を取り合って生きていく温かい家族の絆が観えます。今では一部の人たちにだけに責任を負わしたり負わされたり、または誰かを責めたり貶めたり、背負ったり投げ出したりと、競争や比較、評価ばかりの中でみんなが一円になることがなくなってきています。

本来の人間はどういうときにもっとも力を発揮するか、そして社會はどういうときに思いやりの循環が生まれるか、それはお互いが尊重され一人ひとりが活かされるときです。そしてその一人ひとりが活かされるのは全員参画型の組織に変わる時です。その先に組織があり、その先に社会があり、その先に町があり、都市があり、国家があり人類の未来があるのです。

まだまだそこには私たちも辿り着けていませんが、このプロセス自体の中に実践からのヒントや、型を産み出していく中で世間の刷り込みを取り払うための方法などが発明できています。

引き続き、一人ひとりが全員主人公で豊かで仕合せな幸福型組織、一円組織を目指して挑戦し続けていきたいと思います。

  1. コメント

    理念から振り返りアイディアを形にする、困っている人を助ける。シンプルですが立てた志に対してどうかと真摯に向き合い、そして目指すところへ向かう一員として行動していきたいと思います。

  2. コメント

    家族には、親子や兄弟姉妹の関係がありますが、これは長幼ではあっても「上下関係」とは少し違うものです。上下関係による指示・命令ではない、尊敬や慈愛のある関係、これが職場でも実現できれば、働き方や働き甲斐は大きく変わってくるでしょう。すべてを活かし合い、相乗効果を発揮し合う「円環型組織」をぜひ実現させてみたいものです。

  3. コメント

    理念を手放さず歩むには、仲間の存在が本当に大切だと昨日の初心会議から、改めて感じます。それは、なりたい未来や作りたい未来をみんなが心に刻めるからです。変革にはビジョンが必要だからこその昨日なのだと感じます。在りたい姿に向かって自分を使って行きたいと思います。

  4. コメント

    常に一円対話のような状態で組織が存在していけたら、それはとても素晴らしいことだと思いますし、そもそも純粋な子どもが創り出す組織はそのようなものだったのかもしれないと思えます。何が邪魔をしているのか、自分自身もまた縛られているものがあり、片足がとらわれたままの状態ではありますが、だからこそ活かせるものもあると、目指す方向だけを信じて進んで行こうと思います。

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