心の友だち

昨日、古くからの友人が東京から聴福庵に来てくれて語り合う楽しい時間を過ごすことができました。不思議ですが20年くらい前からご縁がありますが、本当に時折しか合わないのにいつも通りに安心して喜楽に語り合える関係が続いています。

お互いに信じるものや、大切にしているものを知っているからか、もしくは心のどこかで相手を尊敬しているからか、生き方が共感し共鳴するものがあるからかは考えてもわかりませんが、「ご縁」があるのは間違いありません。

こうやってご縁がある人たちと結ばれていくことは本当に仕合せなことで、人生の節目節目に、出会いまた、離れ、しかしまた再会しとその時々のタイミングで人生を共にできることはなによりも幸福です。ご縁の存在に私はいつも救われ、ご縁によって人生が彩られ天の恩恵に感謝するばかりです。

今日が私の誕生日ということもあり、昨日はお祝いとお土産をいただきました。一つは、煎り酒といってはじめて味わった調味料ですがとても美味で感動しました。特に、うなぎの白焼を炭火で焼きあげて少したらして食べるとまさに風味がさらに引き立ち味わいが最高でした。

この煎り酒とは、日本酒に梅干等を入れて煮詰めたものをいいます。もともとは室町時代末期に考案されたといわれ江戸時代中期まで垂味噌と伴に広く用いられていたといいます。実際には醤油ほど保存が利かず味も強くないために江戸時代中期以降醤油が普及する過程で利用が減っていったといいます。しかし醤油に比べ素材の風味を生かす利点があるともいわて最近ではじわじわと人気が出てきているそうです。他にも藻塩や、加水されている飲みやすい焼酎、健康的で好印象を与える名前のお菓子などもいただきました。

かねてから日本の伝統の調味料においては、出汁をはじめいろいろと試していましたが私の興味や関心がさらに湧くものを見知っていて用意してくれているところにお互いのおもてなし合うあたたかな関係がずっと結ばれていることを実感しました。切磋琢磨とは奥深いものだと改めて学び直すことができました。

また誕生日のプレゼントに、お二人からは京都の「阿以波」のすかし団扇をいただきました。この阿以波は元禄2年(1689年)創業の団扇の老舗です。この京団扇は、とてもシンプルで、そぎ落とすところはすべてそぎ落とされた美しさがあります。また使い勝手もいいだけでなく、飾りとしても見栄えがあります。伝統職人が、独特の透かし模様を紙に切り抜き張り合わせていますがその丁寧で優美な印象がより全体の雰囲気を高めています。また香りも、アロマやお香を組み合わせて風と共にふわりとした味わいを周囲に与えます。

論語に、「「学びて時に之を習ふ。亦説(よろこ)ばしからずや。 朋有り、遠方より来たる。亦楽しからずや。 人知らずして慍(うら)みず、亦君子ならずや。」

まさに昨日はそのような心境を味わうことができました。心の友だちは人生を豊かにしていきます。これからどのような再会があるのか、楽しみです。

  1. コメント

    「朋有り、遠方より来たる。亦楽しからずや」というのは、人生の「ホッとする瞬間」でもあるでしょう。「朋友」という存在は「道友」でもありますが、「魂の兄弟」みたいな深いつながりを感じると同時に、どこか懐かしい安心感でもあります。そんなご縁にも支えられ守られていることを、改めて感謝したいと思います。

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