十文字

昔から循環をしていくなかで、十字の関係を築き上げて取り組んでいくというものがある。

縦の天というものからの一本立っている原則などの普遍的な理念、その足元で横一線に皆が和になり協力していくという調和。

これは理念というあり方に対して、どのような協力というやり方を行うかということになっている。

当然、あり方を示すのは理念の体現者であり組織で言えばそれをもっとも示す信念や信条を持つ人が不動の士魂を持ち取り組んでいく。そしてそれをどのように支えていけばいいか、工夫して皆で協力していくかというのはチームの衆智を集めてやり方を創意工夫して取り組んでいく。

このように縦と横の関係がバランスよく成り立った時、はじめて大きなことが為されるのであろうとも私は思う。如何にバランスを保つかということがここでは大切なことであると思う。

これをよく勘違いしている人たちが多い。

やり方ばかりに固執して、いつまでも理念を省みず形は成しているものの一体何がしたいのかわからないようになっている組織。本当にやりたいことは何だったのかというものも本人たちですらよく分からなくなりやり方という形式知識のみに偏っていればいつかは実現するとまで思っている節もある。

そしてまた逆にあり方ばかりに固執するのは、それを実現するためのやり方には工夫をせず精神論ばかりでいつまでも何も改善されないということにもなっている組織。皆で協力して工夫していくということになっていないから、いつまでも個別の問題ばかりに囚われていて全体が調和しない。

しかし優先順位としてどの時代も、人はあり方や姿勢を示すというのは志や使命で行うものでありそういう人が時代を変えていくのであろうとも思う。時代を変える人は、やり方云々ではなく心から感じて動いているのだからどうしようもない。

かの維新の種因を蒔いた吉田松陰先生も、「かくすればかくなるものと知りながら已むに已まれぬ大和魂」というように、どうしようもない志から湧き上がってくるこの心の抑えきれない衝動こそが大和魂であるということである。

そうしてみると心のあり方から入るのは当然であり、そこでどのような方法があるのかというのを学びそれを形にしていく過程で時代や成長の真理や真実を垣間見ることができるのであろうとも思う。

素直に真摯に取り組むということは、どちらにも偏らないように取り組んでいくことでもある。今日、あり方であれば明日はやり方、今が姿勢を語ればこれから方法というように、それをいつも往来しつつ取り組んでいくことが協力し調和を取り持つリーダーの資質であるようにも思う。

相対論ではなく、矛盾や絶対という比較しない場所に自らの布置を定めてこそはじめてこの十字の交わりの理が実践できるのであろうとも思う。

苦は楽の種、楽は苦の種ではないけれど、どちらもまた善しと思えるまで苦悩は続いていく。日々の実践に置いて、子どもたちにもっとも相応しい環境とは何か、学び続けられることに感謝していきたい。

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