自然の智慧

先日、ベランダに稲架けをした御米が出張中に全部雀に食べられてから思い切ってそのまま雀との関係を築くようにしてみました。

今では毎朝、ブログを書いている頃にはやってきては餌を食べています。毎日、特定の三羽がきてはチュンチュンと鳴きながらベランダで過ごしていきます。

動物の中には人間と同じ空間で生きていく生き物があります。

例えば、雀に限らず鳥であれば燕や鳩、カラスやトビなどもそうです。これは生活空間を人間と共にすることでお互いに身の安全を確保することができたとも言えます。昔は今のように情報媒体がないのだから、身近な動物たちの感覚を頼りに色々なことに気づいたのでしょう。きっと昔はじっくりと時間をかけて観察したことで自然の智慧を他の動植物から学び獲得していったのでしょう。

鳥がどのように鳴けば雨が降るとか、周囲の昆虫がいなくなれば嵐が来るとか、木々が揺れて水分を放出するときには天候が荒れるとか、自然に沿って生きて精通しているものたちを身近に置くことで情報を収集していたのでしょう。

本来、人間の近くで生活するものたちは相互に自分たちが生きていくための智慧を与え合って共生していたのです。つまりは自然の智慧を活かすとは、周りの生き物たちの徳性を観抜き、その徳性に合わせて環境を用意することができる力のことなのでしょう。

自然が近くにあるということは、そういった動植物の発達や変化と空間を共有しているということです。そしてそれは自然環境が豊富にある中にいることがいいのではなく、日頃からそういう感覚を育てて鋭敏にしておくということなのでしょう。

かえって自然が豊富だと当たり前になってしまえば自然を実感することができなくなったりします。私のように都心に住んでいるからこそ、小さな自然の変化がとても気になりますし自然をすぐ近くに感じます。

それは空の色でも空気の湿度でも、風の匂いでも、小さな植物たちの芽吹きでも、そして遠くの小さな鳥の鳴き声ですら情報が入ってきます。

長くなりましたが、自然と共生するということは自分自身が自然に沿って自分の感覚を自然の近くに寄せていくことです。毎朝の雀の鳴き声や様子から、その日の様子を実感できます。

改めて身近な動物たちの存在に感謝です。厳しい自然の中にあっては一緒に暮らす仲間たちによって心の平安があったのでしょう、その御蔭様に頭が下がります。

時代や環境が変わっても、大切なことはそのままに学び直していきたいと思います。

  1. コメント

    日本人は、山川草木鳥獣虫魚すべてのものに「情」があり、それを「もののあわれ」と呼んで尊び、心を通わせようとしてきました。その心を通わせる方法のひとつが「呼吸を合わせること」です。人間関係には「同じテンポで呼吸することでしか開かない心がある」と言われますが、それは、自然に対しても同じでしょう。頑なな心を解いて揺らがせ、自然の呼吸に自分の呼吸を合わせる。そういう瞬間にしか感じ得ない自然の豊かさがあるのではないでしょうか。

  2. コメント

    自然の智慧を活かし、普段の生活で知らず知らずその恩恵にあずかっているのだの、すごいと驚いた一人にプロダクトデザイナーの山中俊治さんがいます。この方の方を詳しく存じ上げている訳ではありませんが、自然の叡智がデザインに反映されそうやって仕事をしていくのか、そうやって物事を見るのかと初めて知ったときの衝撃を思い出しました。
    そして、高尾山での樹木研修で樹木の個性について教えて頂き、それぞれの特性をどう活かせるか、どうしたらよくなるかと考え生み出していくことが智慧であり共生なのかもしれないと感じました。姿形が何であれ自分に送られるメッセージに気付ける自分でありたいと思います。【●】

  3. コメント

    日本文化の中に自然の智慧がたくさん取り込まれているのは、自然と共生してきたからなのだと改めて感じました。気付けば空をゆっくりと眺めることさえ無くなっているように思います。何か特別な場所で特別なことをしないと学べないように錯覚しますが、外部研修より身近な仲間の気付きからの方が学べるように、身の回りの自然から少しずつ学びを深めたいと思います。

  4. コメント

    糠も、1日かき混ぜる事を怠るとだめで、蓋をあけると刺々しい匂いを発します。味噌は頻繁に開けるとカビてしまいます。納豆も菌に合わせないと腐ります。日々の中で、実際にそういった生き物が周りにいると、自分の状態が生き物との距離で分かるのだと感じます。ただ、世話をしているのか、それとも心を通わせている関係を続けているのか。ただやるだけでは近づけない世界があるのだと思います。
    自分がどの世界で生き、何をしたいのか。
    しっかりと握りながら生きて行きたいと思います。

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