民間療法の智慧

先日から風邪をひいてしまい喉が腫れ高熱が出たために日頃、社内で実践しているはちみつ大根飴をつくって自分の体験で効果を試しています。このはちみつ大根飴は、江戸時代頃からあった民間療法だそうでもともと大根の持つ消炎効果とはちみつの持つ抗酸化作用を組み合わせたものです。

大根には、イソチオシアネートという消炎のための物質、そして酵素としてアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどがあり消化を助けることが分かっています。またはちみつについては紀元前から人間は薬用として使われていたことが分かっています。具体的には、はちみつ中に存在するグルコースオキシダーゼという酵素が、はちみつの表面に触れている空気中の酸素に働き過酸化水素という物質をつくります。それが強烈な殺菌効果と、消炎効果があるようです。

子どもの咳止めには「はちみつ」をというくらい、昔から重宝されてきたようです。

これらは民間療法といって、古くから民間の生活の中で伝承されてきた智慧ですが自然に沿って暮らしてきた先祖たちが早くから大根とはちみつの効果を知って、生活の智慧にしてきたのです。

昔の人たちは観察力がとても優れていました。それはきっと自然を観察して自然から学んでいたからに他なりません。文字や言葉で学んでいるのではなく、自然そのものをよく観察してそこから智慧を生活に取り込んでいったのです。

今の時代のように、何でも便利に人工的なもので囲まれた都市型の生活をしていたらそういう観察力は減退していくようにも思います。本来の観察力は、自然によって磨かれるものだからです。

天然自然物を活用することは、自分自身の感性が磨かれることになります。

これらの民間療法の効果は、誰にでも覿面に効果があるかどうかはわかりませんがこれらを実践することによって先祖たちが如何に今の自分たちよりも自然に寄り添い優れた観察力を発揮したかがはっきりします。

先祖の智慧を伝承することは、温故知新の生き方を学び直すことにもつながります。

この機会もまた有難い経験にして、子ども達へ伝承していきたいと思います。

  1. コメント

    薬を飲む機会は日頃ありませんが、ただそれ以上に民間療法という存在も身の周りでほとんど感じません。生きる智慧が医と農であり、身をもって学ぶことで生きてくるのだと感じます。先日、電気ストーブが故障し動かなくなってので分解してみました。中を開けてみると部品自体はシンプルに繋いであるだけですが、ただ何で温まるのか仕組みはよくわかりません。技術が進化していくように自分自身も生きた智慧を学び精進していきたいと思います。

  2. コメント

    小さい頃には、まだ「民間療法」がたくさんありました。「梅干し」に始まり、「ネギ」「生姜」「大根」や「アロエ」、それに、オオバコなどのいわゆる「薬草」など、いろいろと経験しました。家には「赤本」と言われる、辞書のような厚い本があり、そこに、いろんな生活の知恵が載っていたように思います。「成分」など明確ではありませんでしたが、「経験則」として家庭で代々伝えられてきた治療法がありました。その効果の程は「信じる力」によるところもあるでしょうが、何よりも、「手間暇」をかけてその薬を作ってくれた、家族の「愛情と思いやりと祈り」こそが、最大の効能だったのではないでしょうか。

  3. コメント

    どのような機会でも活かそうとする姿勢に学ばせていただくことばかりです。先日、私も熱が出ましたが安易に薬に手を出さず体に良いものを食べ睡眠を十分にとると思っていた以上に回復することを実感しました。おばあちゃんの知恵袋ではないですが、以前は食効というものを幾つか調べたことがありましたが、昔の方に言わせると今は食べ物のチカラ自体が弱まってしまっているように感じるとのことでした。青くさいキュウリなども市場に出回っていないことを考えると、民間療法も方法だけでは伝承出来ないのかもしれません。食べ物で病を予防するか、食べ物で病を招くのか。医食同源という言葉の通り、食も日々の実践として大事にしていきたいと思います。

  4. コメント

    民間療法はそれを信じる当人の普段の暮らしによって、その深まりは変わってくる様に感じます。普段から、畑を見守り、子ども達を見守り、仲間を見守り、魂を見守る実践を積んでいる野見山散歩だからこその効き目がそこには在るのだと思います。本当に大変な中、ありがとうございます。

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