日本人の魂

もうすでに郷里の古民家甦生に取り組みそろそろ4年目に入ります。昨年末から、取り組んできた私の復古起新の実践を「暮らしフルネス」と命名し、その理論を具体的な方法にして展開をはじめています。

思い返せば、日本人としてどう生きるか、そして子どもたちのために何ができるかと考え抜いて出た結論がこの暮らしを甦生し、文化を守ることでした。文化とは、生き方であり生き様ことで、私たち日本人の魂のことです。

日本人の魂を磨くというのは、暮らしを磨くことで光ります。

暮らしを磨くのは、先祖の恩徳を高め、先人の智慧を活かし、それを次代へ伝承していくということです。民族伝承の知恵こそ、日本人の魂が顕現したものであり、それを磨くことで日本人は磨かれ世界一流の国際人としてこの先の未来でも大切な役割を果たします。

現代では、それが欧米の文化によって取って代われ、日本人は魂が薄れてきています。和魂とは何か、それを突き詰めていかなければこれからの日本が世界で活躍することはできません。

そのためには、まずは建物や通り、町をどのように磨くのかを町のリーダーたちは理念を定め、真摯に取り組んでいく必要があります。誰かが思い切った行動をして、世の中と反対側に走っていかなければならないのです。この時、必要なのは、資金ではなく、人の数ではなく、勇気を出すということです。

日本という文化を大切に磨くことが、自分自身を大切に磨くことにつながります。そして日本の家は、日本の国家のことですからこれを忘れてはならないと思います。

最後に、フランスの人類学者・地理学者、ジャック・プズー・マサビュオーの言葉です。

「日本の家は、現代において、日本民族と日本的魂の誕生のあり方を、普遍の形で示しているのである。家は、家族の母胎であると同時に、日本民族の母胎でもある。日本民族は、家によって育まれ、趣味や感受性、社会の規則や慣習が、家で作られているのである。同じような家を際限なく建て続けることによって、日本民族は、自分自身のイメージを再生産し続けているのである。そのイメージにおいては、過去と現在が普遍に混じり合っている。日本の伝統的な家は、「日本らしさ」の永遠の源泉であり、この家こそが、日本民族にとって、何よりも確実なルーツなのである。」

日本らしさを大切にした生き方を、引き続き高め、和魂の精神を子どもたちに伝承していきたいと思います。