銅器の魅力

現在、建設中のBAでの料理には銅を使った台所道具を用いることにしています。聴福庵は鉄を中心にしていますが、銅もまた先人たちの智慧が伝承されているものです。

そもそも銅の歴史は古く、太古の時代から利用されていて人類が最初に使い始めた金属とも言われています。青銅器時代と呼ばれる時代があるくらい銅は青銅器や武器や農具といった一般的に使われる道具まで人類が活用してきた金属でした。銅の種類では青銅、純銅や真鍮、白銅などがあります。そして真鍮(しんちゅう)もまた銅の仲間の一つです。

銅は金属の中でも特に柔らかく加工がしやすいという特徴があります。また錆にくく熱伝導性が高く、殺菌作用もあります。

世界中のプロの料理人が愛用するのは、それだけ料理に向いている道具だからです。しかし鉄と同様に手入れするのが大変な道具であり、今の便利な時代の価値観の中では次第に活躍の場がなくなってきています。

銅鍋などは料理中の銅が少し溶け出すくらいはかえって鉄分の吸収を助ける働きがありますが、料理後にそのまま放置すると銅が酸によって大量に溶け出すことにもなります。またこまめに使っていなければならず、手入れが必要な道具なのです。

またかつては、銅から出てくる緑青に毒があると信じておりさらに銅製品の評判が下がっていきました。この緑青とは銅の腐食により出来る錆で、科学的には塩基性炭酸銅と言われる化合物のことです。

実際に緑青は20年ほど前までの教科書や辞書には有毒や有害と記入されていましたから私たちの世代も銅の緑青は猛毒だと信じていました。しかしこれはまだ金属清廉技術が未発達な時代に銅の中にヒ素が混入しヒ素中毒を起こしていたのではないかという事例から有害だと思われていたといいます。

国立衛生試験所が昭和55年から3年間を費やして実験を行い、その結果を受けて、昭和59年8月に厚生省は無害であることを認めました。それに1984年8月に厚生省の見解として有害ではないと発表され緑青は水に溶けず体内にも蓄積しないことが立証されてかつての価値観が覆りました。

銅の素晴らしさが、誤解によって埋没し、そして不便な道具として不名誉な評価をもらうことはとても残念なことです。

BAでは、炭のスイーツを開発していく予定ですからこの熱伝導、熱効率、熱加減が可能な銅の製品はこれからの新しい炭料理のパートナーになりそうです。

子どもたちに、先人の智慧と伝統を継承していきたいと思います。

  1. コメント

    料理を作り食べるところまではいいが、それを洗い片付けることを面倒臭がる人はたくさんいます。これは料理に限らないでしょう。その延長で、「後片付け」や「手入れ」が面倒な道具が次々と敬遠されていきます。これは「本末転倒」ですが、この理屈は堂々と通ってしまいます。「時間がない」というのが一つの言い訳ですが、それ以上に、「何でも面倒臭がるという傾向や思想と、実力のなさ」に注意が必要かもしれません。

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