余裕の好循環

人は自分の使っている言葉の中に、心の豊かさが出てきます。使っている言葉を知ることで、自分の中の心の状態を確認することは大切なことです。自分の言葉を気を付け、自分の言葉を澱み濁らないように心の手入れをしていくことで心の状態を整えていくのです。

例えば、心の豊かさに対して心の貧困というものがあります。

日本は経済大国になり世界3位のGDPの高さを持ちますが、自殺率でも1位、2位の高さです。実際に、経済合理性を優先して物質的には裕福になっていますが心の貧困や格差というものは広がっているといわれます。

この心の貧困というものは、自分の心の状態が貧しい状態とは心の余裕がない状態だと言えます。心の余裕やゆとりがあれば、他人や社会に寛容になるものです。自分の事ばかりに忙しくなってしまうと、人は心の余裕がなくなっていきます。自利と利他という生き方がありますが利他に生きる人たちは心の余裕があるように思います。

心の余裕というものは、つながりや循環、そしてみんなで助け合っていきている信頼している世界が観える状態であるとも言えます。いつか切り捨てられるのではないか、いつか要らなくなるのではないかと、自分の事ばかりを心配して心は余計に貧しくなっていきます。

最近では歪んだ個人主義の影響で無縁社会などといわれることもありますが、こういった社會のゆとりのなさや余裕のなさが心の貧困を広げているように私は思います。立場や権利よりも、つながりや絆を感じることや、利他に生き、多くの人たちに活かされている自分を知り、感謝で恩返しをしようと生きている人は心に余裕が出てきて心が豊かになっているように思います。

自分の仕合せとは、自分が活かされている感謝を心で味わうことからはじまるように思います。自分自身の仕合せや豊かさを感謝でみんなと分かち合うとき、心に余裕が生まれ豊かさが滲みだして周囲を豊かにしていくように思います。この心の余裕とは何か、それは心の安心のことです。心が安心するためにも、みんなと信頼し合うようなつながりや絆、関係を自らが主体的に結び、自分自身の心の中にその信頼関係や安心基地を築く必要があるのです。そういう意味で、言葉はその信頼関係や安心基地を築く大切な道具なのです。

日々の自分の言葉がどのような心を顕しているか、その言葉を省みては現代社会に刷り込まれないためにも敢えて心が豊かになるような言葉をたくさん発して、子どもたちの社會が豊かなるように余裕の好循環に貢献したいと思います。