健康で長生きするための智慧

先日から酪酸菌のことを書いていますが、この酪酸菌はウィズコロナには欠かせない微生物であるのは間違いありません。戦前に日本人にはほとんどアレルギーがなかったといいます。それは食物繊維をたくさん摂取していたからだともいわれます。

つまり酪酸菌の餌は、その食物繊維であり食物繊維を多く食べていればそれだけ酪酸菌も元氣になるというものです。日本人の伝統的な食事の智慧にぬか漬けがあります。このぬか漬けこそ、酪酸菌を元気に増やし代謝を高める効果があります。私たちが腸から大事な栄養素を取り込むのにこの酪酸菌が多くの役目を果たしています。

具体的には(鶴見隆史著「酵素」の謎)にこうあります。

酢酸、プロピオン酸、酪酸の短鎖脂肪酸は水溶性の食物繊維や糖質の発酵で生じる物質で、その働きが人間の免疫力を上昇させたり、健康を向上・維持させるうえでたいへん重要ということで、最近大きな注目を集めてきています。酢酸は、脂肪合成材料です。プロピオン酸は、肝臓における糖新生の材料として使われています。酪酸は、大腸の主要部分の栄養素となります。これらは、95パーセントは大腸粘膜から吸収され、すべての消化管と全身の臓器の粘膜上皮細胞の形成と増殖を担い、粘液を分泌させる働きをしています。 胃液も腸液も膵液も胆汁もすべて短鎖脂肪酸がつくっており、大腸粘膜など100パーセント、短鎖脂肪酸をエネルギー源としています。 この短鎖脂肪酸の一番の材料は、熟した果物、わかめ、昆布などに含まれる水溶性食物繊維です。 穀物、大豆、きのこに含まれる不溶性の食物繊維も材料になります。 ほかには黒酢、酢、梅干し、ピクルス、酢の物、ラッキョウ、漬物、キムチなどの発酵食品も短鎖脂肪酸の材料になります。」

つまり私たちの腸ではこの食物繊維を分解するという機能が備わっていて、長い年月をかけて食べてきた食生活に対して微生物と共生する関係を結んできたともいえます。その長い関係を結んできた微生物が私たちの身体を病気から守り健康にしていますから、いくら時代が変わってもその微生物たちがいつまでも共生してくれるように食生活を保つ必要があります。

例えば、もしも宇宙に人間がいってどこかの星で生活したとしても腸内の微生物たちは今までと同じような食事が必要になります。食物繊維のないものばかりを食べてしまえば腸内環境が崩れてしまい共生が維持できず健康が維持できません。

私たちは人間だけで生きているわけではなく、様々なものに「生かされている」のですから微生物に生かされている私たちは微生物を生かす役割を持っているのです。そうやって全体循環の中でいのちはめぐりますから、好循環を維持するためにも何が好循環を保つのかを私たちは知っている必要があるのです。

子どもたちのためにも、健康で長生きできる智慧を伝承しつつ古来からの体内の微生物たちがいつまでも一緒に健康で長生きできるように暮らしフルネスの中で実践していきたいと思います。